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第2回 プロダクトマネジメントとリーダーシップ(2012.06.05) 3/3

新井 宏征


◆ステークホルダーとの関係

プロダクトマネジャーは、日々の業務の中でさまざまなステークホルダーとかかわりを持つことになる。プロダクトマネジャーがかかわりを持つ可能性があるステークホルダーの役割(部署)をまとめたものが次の図である。

 

これらのすべてのステークホルダーと等しくかかわりを持つわけではなく、関係が深い役割とそうでない役割が存在する。もちろん、関係の深さは、プロダクトマネジャーが所属する業界や取り組んでいる製品によって変わるが、通常、図に挙げた中では、「営業」や「研究開発」などの役割を負うステークホルダーが、特に関係が深い役割だと言える。

「営業」は製品の売上げにかかわる重要なステークホルダーである。そのため、製品の市場投入前の計画・準備段階から市場投入後まで、さまざまな場面で営業とかかわることになる。例えば、プロダクトマネジャーが計画を立てる段階では、売上予測を作成する際、営業から情報をもらうことが重要になる。さらに、市場投入後は営業支援や営業に対するトレーニングでかかわることになる。営業支援という点では、営業に対して製品情報を提供したり、場合によっては一緒に営業に同行することもあるだろう。営業のトレーニング時、プロダクトマネジャーが営業スキルについて指導をすることは、通常、あまりない。むしろ営業がターゲットとする市場の情報の共有などの役割を担うことになるだろう。

「研究開発」では、新製品開発時にかかわることが多い。研究開発の担当者は、新製品に今までにはなかったようなさまざまな新しい機能を実装したいと考えるかもしれない。だからといって、そのためにコストを度外視して良いわけではない。研究開発の担当者との間に立ち、そのバランスを取るのがプロダクトマネジャーの役割である。

◆プロダクトマネジャーとリーダーシップ

多くのプロダクトマネジャーが自身の役割を遂行する上でさまざまな困難に遭遇する。その原因の大きなものとして、プロダクトマネジャーがチームメンバーに対して直接の権限を持っていないというところにある。

通常、プロダクトマネジメントチームは、先ほど紹介したさまざまなステークホルダーが集まるクロスファンクショナルチームである。そのため、メンバーはそれぞれの役職におけるマネジャー(「ラインマネジャー」などと呼ばれる)とプロダクトマネジャーの2種類のマネジャーと接することとなる。この場合、ラインマネジャーは、業績評価などの人事上の権限を持っているが、プロダクトマネジャーはそのような権限がない。

この状況において重要になってくるのが、プロダクトマネジャーのリーダーシップである。プロダクトマネジャーは、リーダーシップを発揮することで、クロスファンクショナルチームをまとめ、先ほど紹介したように、製品を通して企業やチームが掲げた実現するために、動機づけをしていくのである。

   

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著者紹介

新井 宏征

SAPジャパンにて、BI関連のソフトウェア導入業務に従事した後、2007年よりシンクタンク勤務後、2013年に独立。主に法人関連分野のコンサルティング業務に従事。主な著書に『スマートグリッドの国際標準と最新動向2012』、『グーグルのグリーン戦略』、訳書に『プロダクトマネジャーの教科書』、『90日変革モデル』などがある。
Facebook上でプロダクトマネジメントのグループも管理している。

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