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第85話:タイミングを考えた計画をする(2014/05/20)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆意思決定はタイミングで内容が変わる

前回は、マネジャーの時間管理はPDCAよりはPDRの方が有効であることを述べた。ただ、この中で触れなかった問題が、「タイミング」の問題である。

意思決定や行動の中である意味で内容よりは重要なのがタイミングである。たとえば、製品開発を行うときに、目玉になる機能に拘るあまり、発売時期を逸し、機能的に劣る競合の新製品に負け、失敗に終わるケースは珍しくない。

もう少し細かなところでいえば、仕事(業務)にもタイミングがある。

プロジェクトマネジメントが行われるようになってから、計画が重視されるようになってきたが、そこで行われていることは時間の計画が中心でタイミングの計画までは行われていないことが多い。

理由を聞くと、メンバーがフルタイムでプロジェクトに参加することが多いので、作業のタイミングは大きな問題ではない(たとえば1日に一度同期すれば十分)という意見と、タイミングは業務プロセス標準である程度考えられているので大丈夫だという意見が多い。

ある程度理解できるのだが、厳密にいえばプロセスは節目になるところの同期しかタイミングを含んでいないことが多いし、メンバーがフルタイムで参加していても意思決定のタイミングの重要性がなくなるわけではない。1日に一度、作業を同期しているので無駄が出てくるのは1日というわけではない。実はここがタイミングという話のみそだ。

たとえば、製品開発でいえば、製品の仕様を決めるタイミングが早すぎると、その後、競合の動向をみて仕様を変えざるを得ないことがあったりする。あるいは、著者が経験した例だと、業界標準の策定が遅れ、仕様を決めるタイミングが遅れ、利益損失が起こるようなこともある。


◆なぜ、タイミングは考えにくいか

タイミングが難しいのは、扱う方法(ツール)がないことに一因があると思われる。
上に述べたように時間そのものは工数見積もり手法があり、ある程度適正な計画が可
能である。順序もしかりで、たとえば、プロジェクトマネジメントであれば

・FS(Finish to Start)
 先行アクティビティが完了すれば,後続アクティビティが開始できる
・SS(Start to Start)
 先行アクティビティが開始されれば,後続アクティビティも開始できる
・FF(Finish to Finish)
 先行アクティビティが完了すれば,後続アクティビティも完了できる
・SF(Start to Finish)
 後続アクティビティが完了できるには,先行アクティビティが開始されていなくてはならない

といった順序関係を決めるようになっている。これでプロセスは決まるので、工数が決まれば納期やマイルストーンの制約に併せてタイミングも決まると思いがちなのだが、実はそうではない。

タイミングの問題はプロジェクト全体を同期するマイルストーンをどう決めるかいう問題もあるし、それ以外にも外部要因でタイミングを考えるべきところはないかという問題なのだ。

これがタイミングの問題の難しさである。


◆タイミングで失敗している例

タイミング問題で失敗しているケースが多いのがITプロジェクトの要件定義である。上の製品開発の例からわかるように、要件定義のタイミングというのは顧客のビジネスに直結しているものであって、開発の都合で決まるものではない。

にも関わらず、納期に拘り、タイミングを考慮しないスケジュールを作ってしまう。タイミングが悪くてもある程度の要件はできる(最初から決まっている)。しかし、要件の中にはタイミングによって決まる要件がある。ここは結局、仕様変更、手戻りということになる。

これらの議論は、こちらの記事に書いているので、読んでみてほしい。

戦略ノート第148回 プロジェクトにおける延期と投機(2007.06.19)


◆リスクマネジメントの問題

もう一つ、タイミングの問題で気になるのは、リスクマネジメントである。リスクマネジメントもある意味でスケジュールの問題と似ている。リスク事象については熱心に検討するが、タイミングの問題はあまり関心を持たない。

しかし、リスクこと、どんなことが起こるかよりはタイミングが問題である。

起こることを詳細に想像し、対応策を考えても、それがどのようなタイミングで起こるかを想像していない限り役に立たない。リスク分析においては、リスクのタイミングを徹底的に分析しなくてはならない。


◆タイミングの扱い方

さて、タイミングは、時間や手順に比べると扱いにくいわけだが、実際問題としてどうすればよいのだろうか?たとえば、タイミング研究のエキスパートだといわれるスチュアート・アルバートは「WHEN The Art of Perfect Timing」(邦訳:「パーフェクト・タイミング」)の中で4つのマネジメント(時間管理ではない!)でタイミングの問題は解決すると指摘している。

(1)いつ行動を起こすべきかを知る
(2)タイミング・リスクを管理する
(3)タイミングの重要性を常に意識する
(4)適切な時間デザインを選ぶ

の4つだ。(1)については、自分の仕事のパターンを知っていることが重要だという。上には書いていないが、タイミングを重視しないと思っている人に割と共通する傾向があるのは、スピードで対応できると思うものだ。特にビジネスのスピードが速くなり、出ている。また、上の要件定義の問題も早く行えば早く行う方がよいと思っている。

しかし、延期と投機の議論のように待つことがよいこともある。

(2)のリスクの問題については、先に述べたとおりである。リスクのタイミングを分析的に考えることだ。

(3)は意識づけで、重要なことはいうまでもない。

(4)のデザインも重要だ。

・何をすべきか
・徐々に進めるべきか、様子をみるべきか
・間をおくべきか、なるべく早く進むべきか

といったことを考えなくてはならない。実は、スケジュールの本質はこういったデザインにある。

つまり、活動や行動が無駄にならないスケジュールを作るにはタイミングを考えたスケジュールのデザインを行わなくてはならない。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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