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第47話:プロジェクトリーダーとしての「権威」を高めるためには(2012/06/11)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆プロジェクトリーダーには権限が少ない?

プロジェクトリーダーに関してよく問題になることに、権限の問題があります。多いのは、プロジェクトリーダーには与えられる権限が少ないのではないかという不満です。

プロジェクトは本来、権限で動かすものではありません。大規模なプロジェクトになればなるほど、難しいと言われるのはこの点においてです。では、プロジェクトは何で動かすのか。

大きく分けると2つあると思われます。一つは、「権威」です。もう一つは、「対人関係」です。

この点をまず、念頭においてこの話を少し整理してみたいと思います。プロジェクトは権限で動かすものではないといいましたが、正確にいえば、権限だけでは不十分、言い換えると、プロジェクトを動かすのに十分な権限は与えられないということです。プロジェクトリーダーを組織職と明確に関係づけている、たとえば、プロジェクトリーダーは主任級以上といった場合には、組織職に見合うプロジェクトリーダーに権限を与えることがあります。しかし、これは便宜的な話であって、組織職の権限だけではプロジェクトがうまくできそうもないので、プロジェクトリーダーを決めてプロジェクトで業務を遂行するわけですので、本末転倒です。

プロジェクトリーダーの権限ということでいえば、プロジェクト憲章をつくるプロセスで上位組織と「権限闘争」を行い、獲得するのが本来の姿です。つまり、プロジェクトリーダーの権限は、プロジェクトによって異なるということです。プロジェクトリーダーが事業部長並みの権限を持つプロジェクトがあってもおかしくありませんし、まったく権限がなくてもおかしくありません。あくまでも、プロジェクトの属性に応じて、組織として判断し、決定すべきことです。

ただ、プロジェクトリーダーにそんな大きな権限を持たせることは現実的ではありません。そこで、冒頭のような不満がでてくるわけです。


◆権威で動かす

では、現実的なソリューションは何か?「権威で動かす」、「対人関係で動かす」の2つです。もちろん、これらは対立するものではありませんが、ここでは、権威について考えてみたいと思います。

そもそも、権限とは何か。権限とは

自分の意思どおりのことを強制的にやらせる力

のことです。ポイントは強制的という言葉です。やる本人がどう思おうと関係ないのが、権限です。ちなみに、地位と権限を併せて権力といいます。

これに対して、権威とは

個人の影響力によって、自分の意思どおりのことを誰かに進んでやらせるスキル

だといえます。キーワードは「(自分から)進んで」です。

技術系の職種でいえば、権威としてもっとも現実的なのは、「技術力」です。たとえば、エンジニアとして超一流だった人が、プロジェクトリーダーになったとします。
すると、技術力を権威として人が動かすことは簡単にできます。実際に、プロジェクトリーダーになって何年かは多くの人がそういう期間を過ごします。

しかし、しばらくすると、メンバーがその人のエンジニアとしての活躍ぶりを知らなくなります。すると、この権威は喪失してしまいます。プロジェクトリーダーの中には、最初は分からないながらもなんとかうまく行っていたのに、うまく行かなくなったと、この段階で悩んでいる人が少なくありません。

ここで技術者としての権威にこだわってしまうと、やがて、自分の知っている技術にこだわったり、よく分からない技術に下手な口出しをしたり「残念な」プロジェクトリーダーになってしまします。


◆権威を高めるために

この時期に、うまくトランジションできればいいのですが、そのためには何が必要なのでしょうか?プロジェクトリーダーとして権威を持つということは、信頼される、尊敬される、愛されるということです。そのための行動としてよく言われるのは以下のようなものです。

・正直である
・いいお手本になる
・献身的である
・話をよく聞く
・人に責任を持たせる
・敬意をもって人に接する
・人を励ます
・肯定的で熱心な態度をとる
・人の価値を認める


◆リフレクション

ただ、このような行動を取るというのはそんなに易しいことではありません。なぜなら、問題が起こったときに、それを他者の問題としてとらえるからです。上のリストにある行動はその対極にあります。つまり、問題を自分の問題としてとらえ、何ができていないので今の状況が起こっているのかを考え、そのような行動をとることが不可欠なのです。

一つ例を挙げてみましょう。顧客から、メンバーのコミュニケーションが悪いというクレームがありました。どうも、作業段取りの変更などの際の相談が事後報告になっているようなのです。そのメンバーに注意をしましたが、改善されません。

プロジェクトリーダーとしては、ここで考えます。まず、なぜ、事後報告になっているかについて、メンバーの話をよく聞いているか。自分がいい手本になっているか?メンバーに顧客が望むようなコミュニケーションを取るに十分な責任を持たせているか?などを考えるわけです。すると、メンバーが顧客に相談する前に自分に相談していることに気づきました。それが、どうも原因のようです。そこで、そのメンバーに対して再度、責任を明確にし、自由に動けるような状況をつくってあげます。

これを内省(リフレクション)と言いますが、権威を身につけるためには、細かな問題で、リフレクションを重ねていくことが不可欠です。


◆権威は上下左右すべてに効果がある

さて、ここまで、権威というのをメンバーを動かすことに絞って話をしてきました。しかし、権威という考え方は、上位組織や、顧客にこそ、有効なのです。みなさんの周りのプロジェクトリーダーの中に、顧客は彼の言うことなら耳を傾けるとか、組織が彼には譲歩するといった人が必ずいると思います。いわゆる「できる」人です。
「できる」の正体が権威なのです。基本的に、メンバーに対する権威を高めたい場合にも、顧客や上位組織に対する権威を高めたい場合にも、取るべき行動は同じです。むしろ、同じようなスタンス、行動ですべての人に接することが権威を高める一つの要因になるといってもよいでしょう。

このことを忘れずに、プロジェクトリーダーとしての権威を高めていくことに取り組んでください。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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