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第20話:RRAA(2010/07/26)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆アカウンタビリティとレスポンシビリティ

PM養成マガジンの戦略ノート第131回(2007.01.23)で、マネジメントで意識しなくてはならない責任概念には「レスポンシビリティとアカウンタビリティ」があるという話をしたことがある。今、改めて読んでみると、アカウンタビリティを少しプロジェクトマネジメント的に書きすぎているようにも思うが、まあ、間違っているということでもないので、この2つの概念の理解が不十分な方は一度、読んでみてほしい。

第131回(2007.01.23) レスポンシビリティとアカウンタビリティ

◆責任と権限の関係

今回のコラムで議論したいのは、権限の話である。

最初に考えたいのは、責任と権限の関係である。この2つの間には2つの関係があり得る。
(1)責任を果たすために権限がある
(2)権限に応じて責任が決まる

どちらが正しいのだろうか?おそらく、多くの人は迷うのではないかと思う。トップダウンであれば、(1)が正しい。ボトムアップであれば(2)が正しい。日本の組織は権限でコントロールしようとする。これは意外とおもしろいやり方だ。与える権限を決めておき、その中でどのような成果を出すかは自主性に任せようとする。権限に見合う成果は要求されるが、それ以上の成果を上げてもまったく問題ない。ときには、権限を越えて、活動をすることも「見過ごす」。

これに対して、(1)はどのような成果を出して欲しいかを明確にし、そのためにどのような権限が必要かを交渉する。交渉の結果としては、権限を委譲することもあるし、成果を縮小することもある。その意味では(2)に見えなくはないが、本質的に異なる。求められた以上の成果を出すと、マイナスの評価をされる可能性もある。

例えば、プロジェクトにおいて大幅に初期に立てたスケジュールから大幅に短縮されたとする。結果オーライとは考えない。これは何かに問題があると考える。スケジュールに問題があったのかもしれないし、作業能力の見積もりに問題があったのかもしれない。このような原因であればプロジェクトマネジャーに問題があったことになる。
もちろん、是正をすれば問題にされることはない。ところが、是正をせずに、そのまま、最後まで突き進んでしまうと結果として成果が予想以上でも問題視される。

これを容認すると、統制ができなくなる。その意味で、責任と権限というのが相当、厳密に設計される必要がある。プロジェクトマネジメントも例外ではない。つまり、組織的プロジェクトマネジメントを効果的に行うためには、責任と権限を明確にし、その整合性をとらなくてはならない。その意味で、プロジェクトマネジャーの権限がないという主張も、プロジェクト上位管理者のすべて任しているという主張も的を得たものとは言えない。


◆責任と権限はRRAAで設計する

責任と権限を設計する一般的な方法は、RRAAである。RRAAとは

R:Role(ロール、役割)
R:Responsibility(実行責任)
A:Accountability(業績責任、説明責任)
A:Authority(権限)

の頭文字をとったものだ。

この議論の出発点は、ロールである。日本企業でプロジェクトマネジメントを導入した組織で、ロールの定義は極めて曖昧である。というよりも、多くの場合、プロジェクトマネジャーとPMOというロール以外には決めていない。すると、自動的にプロジェクトマネジメントの仕事=プロジェクトマネジャーの仕事となる。つまり、丸投げだ。

最近、さすがにそれではまずいと思い、体制上はプロジェクトスポンサーを設置する組織が多くなってきた。しかし、プロジェクトスポンサーのレスポンシビリティでプロジェクトマネジャーの任命以外を定めている組織は少ない。アカウンタビリティなど定めている組織は珍しい。

最近、この指摘をしつこくしているのだが、あまりいい顔はされない。プロジェクトスポンサーとしての仕事は組織管理業務として行っているという言い分のマネジャーが多い。その方が効率的だと開き直るマネジャーすらいる。これでプロジェクトがうまく運用できるとすれば、その企業は間違いなく、人材育成をコア・コンピタンスの一つにしていると断言できる。


◆RRAAの事例

抽象的な議論だけではよく分からないと思うので、最後に事例として弊社のテンプレートの中から、プロジェクトマネジャーとプロジェクトスポンサーのRRAAを掲載しておく。

【1】プロジェクトマネジャー
1.1 レスポンシビリティ
・プロジェクトの作業計画を策定する
・プロジェクトの技術計画を策定する
・プロジェクト計画にそったプロジェクト作業の取り纏めを行う
・プロジェクト計画リスクへ対処する
1.2 アカウンタビリティ
・プロジェクト成果の進捗状況をプロジェクトスポンサーへ報告する
・プロジェクト予算実績をプロジェクトスポンサーへ報告する
・リスク発生状況をプロジェクトスポンサーに報告する
1.3 権限
・工数の決定
・実装技術要件の決定

【2】プロジェクトスポンサー(レベル)
2.1 レスポンシビリティ
・事業計画を実現する戦略をプロジェクトとして実行する(シニア)
・プロジェクト要求を決定する(シニア)
・プロジェクトを立ち上げる(プロジェクト憲章の発行)
・顧客の要求を管理する
・プロジェクトや組織で活用する技術を管理し、指導をする
・プロジェクトの利益目標を決定する
・プロジェクトの目的/目標を決定する
・プロジェクト成果を管理する
・プロジェクトリスクに対処する
2.2 アカウンタビリティ
・事業計画の進捗、および、戦略実行状況をプロジェクトオーナーへ報告する(エグゼクティブ)
・不採算プロジェクトの中止(エグゼクティブ)
・事業の業績を上げる(シニア)
・プロジェクトの利益を実現する
・プロジェクトの目的を実現する
・プロジェクトの目標を達成する
・プロジェクトの目的実現状況をエグゼクティブスポンサーへ報告する
・プロジェクトの収益状況をエグゼクティブスポンサーへ報告する
・プロジェクトリスク発生状況をシニアスポンサーへ報告する
2.3 権限
・顧客提案可否の決定(エグゼクティブ)
・プロジェクト中止の決定(エグゼクティブ)
・事業計画の実行(エグゼクティブ)
・顧客提案可否の決定(シニア)
・プロジェクト収益目標の決定(シニア)
・案件の受注決定(シニア)
・プロジェクトリスクへの対処方針の決定(シニア)
・プロジェクトの定義
・プロジェクトの技術要件の決定
・オーダー管理者の決定
・プロジェクトメンバーの決定
・プロジェクトコストの決定
・プロジェクトの実施体制の決定
・顧客対応(方針)の決定

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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