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第114話:洞察について考える(2016/07/11)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆洞察

「洞察」という言葉がある。辞書を引くと

「物事を観察して、その本質や、奥底にあるものを見抜くこと。見通すこと。」

といった説明がされている。一般にはあまり使われない言葉だったが、最近、やたらと洞察をタイトルやテーマにした書籍が目立つようになってきた。原因は本質を見抜くことに対する関心が高まってきたことだろう。

一方でロジカルシンキングが普及してきて、論理的に考え、意見を述べることは普通になってきた。ところが、論理的であるにも関わらず、何か釈然としない、違和感があるといったことを感じることが多いと感じている人も少なくない。

実はここに洞察が必要な局面があるのだ。


◆論理と前提

プロジェクトにおいて、

「スキルが低いメンバーがいれば、スケジュールが遅れる」

という論理を考えたとする。この論理は納得する人が多いと思う。では、

「スキルが高いメンバーがいれば、スケジュールが前倒しに進む」

という論理はどうだろうか。こちらは、納得できない人も多いのではないかと思う。問題は、なぜ、このような差が出てくるかだ。ここに論理の重要な要素である「前提」という話が出てきる。

2つの論理には、いくつか暗黙の前提がある。代表的な前提には、たぶん、

「各メンバーは個々に担当を持ち、自分の担当範囲を一人で行う」
「個々の担当がすべて終わった時に、全体も終わる」

というものである。前者ではこの前提があるので正しいと思われ、後者は正しくないと思われる。では、前提が

「メンバーの担当範囲はチーム単位に割り当てられる」

というものなら、前者は納得できるが、後者は納得できない人が多くなるだろう。

このように、論理には前提があり、論理が納得できるかどうかのポイントは前提にある。前提が納得できればその論理には納得できるし、前提に納得できなければ論理にも納得できない。

つまり、論理的に何かを言いたい場合には、どういう前提の論理なのかを明確にしなくてはならない。


◆明確にされない前提

ところが多くの場合、前提を明確にしない。特に対面コミュニケーションの場では明確にしないことが多い。そのようなコミュニケーションの取り方に馴染んでおらず、抵抗があるからだ。むしろ、前提は見える化しないでおき、様子を見ながら進めて行く中で、決定するやり方が好まれている。そのため、最後まで見える化されないことも多い。

そもそも、前提については考えないことも少なくない。考えないというのは、

(1)前提を意識しない
(2)話が合わなくなってきたときに、初めて前提を考える
(3)同じ前提を持っていると考えるが、前提は明確にしない

のいずれかのケースが多い。以前の日本は一様性が高く、前提は同じものだということで、気にする必要がなかった。つまり、(1)、または(3)の状況だった。


◆同じ前提だという勘違い

しかし最近は、多様性が高まり、論理的な擦り合わせをしている際に話が合わなくなり、(2)が多くなってきているが、納得性という観点からはとってつけた感が生じ、まず論理に納得できない。

この中で特に厄介なのは(3)である。同じ前提を持っていると考え、本当に同じなら問題ないのだが、実は違うということが圧倒的に多い。

特に日本企業や日本人同士では、前提を明確にせず、同じだと考えることによって論理に対する納得性を作りあげていることが多い。だから、別の場で「実は私は考えが違う」といった愚痴が出てくるのだが、公になることなく、そのまま終わってしまう。


◆コミュニケーションの方法

このような状況で、コミュニケーションをうまく行うには、2つの方法がある。一つは、前提を見える化し、前提について合意することだ。この問題は、前提を決め、その前提の中で論理を作っていく問題であり、かなりコンセプチュアルな思考が必要である。

もう一つの方法が前提を洞察することである。ロジカルにものごとを進めていく場合、洞察の大きな役割は前提を推察することにあるといってもよいだろう。コミュニケーションの中で、前提に対する仮説を立て、仮説を検証していく形で前提を洞察していく。

たとえば、上の例で、プロジェクトマネジャーのあなたはチームリーダーから

「スキルの低いメンバーがいるので、スケジュールが遅れそうだ」

という報告を受けたとする。この場合、リーダーが

「チームとして仕事を考えておらず、個々のメンバーに分担するグループで考えている」

ことを洞察し、その洞察に基づいてリーダーに仕事のやり方を修正するようなアドバイス、たとえば、

「進捗の出ているメンバーは出ていないメンバーの手伝いをさせてはどうだろう」

をするのだ。


◆簡単な洞察の方法

この場合も、洞察力というコンセプチュアルスキルは不可欠だが、この方法の方が現実的な方法である。

もっとも簡単な洞察の方法はWHYを考えることである。たとえば、上の例で

「なぜ、スキルが低いメンバーがいると、スケジュールが遅れるのか」

というWHYから始めれば、

「個人主義の仕事の仕方をしている」

という前提(問題の本質)に行くつくことはそんなに難しいことではない。このように洞察というのはそんなに難しいことではないのだ。何を見て、どのような方向に考えるかを決めることができればできる。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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