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【PMOコラム40】プロジェクトマネジャーの理解(2007.12.17)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆前回の復習

前回、PMOがプロジェクトの支援をうまくできなかったケースを紹介した。

少し、長いので、掲載しない。バックナンバーを見てほしい。

PMOとPMのレシプロシティ

前回、価値観が違うという問題を指摘した。今回は、もう少し、このあたりを考えてみたい。


◆価値観以前の問題〜相手が味方になると考えるか?

価値観の違いというのがどこから起こるかという議論をしなくてはならないのだが、それ以前の問題としてスタンスの問題がある。プロジェクトマネジャーとPMOの間の関係において意外と重要なのが、「味方になると考える」ことができるかどうかだ。

プロジェクトマネジャー側から見れば、PMOを味方だと考えている人はそんなに多くないのではなかろうか?理由はいろいろある。いろいろな対応が面倒だと思うプロジェクトマネジャーもいるし、上位組織の代理人だと思っている人もいる。

一方で、PMOがプロジェクトマネジャーが味方になると思っているかというと甚だ疑問である。たぶん、多くの人は、自分たちは味方なのに、敵対視していると思っているのではないだろうか?これも理由はいろいろある。

このような状況の中において、味方になると考えない限り、相手の価値観を理解し、相手のために何かするということはできないように思える。結局のところ、前回述べたように、自分の価値観で何かをしてそれで終わってしまう。終わるだけならまだよいが、お互いに仕事の本質とかかけ離れたところで手間を取るという最悪のケースになることもある。相手を味方だと思う努力をし、もし、思えないようなら下手に支援をしない方がお互いのためだ。


◆目的を明確にし、付き合う範囲を限定する

プロジェクトマネジャーを味方だと思えたら、次に考えるべきことは、目的を明確にすることだ。PMOで勘違いしている人が多いのはここだ。PMOの活動の目的は「プロジェクトの成功です」と考える人が多い。以前にも述べたがPMOの機能体系はいろいろなものがあるが、その中で、標準化/コンサルティング/ナレッジマネジメント/人材育成の4つに分けるという考え方がある。このうち、コンサルティングについてはPMOの活動目的はプロジェクトの成功であるが、それ以外は違う。少なくとも一義的な目的ではない。

たとえば、標準化を主活動とするPMOであれば、よい標準を提供することが目的であり、プロジェクトが成功することは結果にすぎない。ここを混乱し、目的を「プロジェクトの成功」としてしまうと、おのずと便利屋、マンパワーお助け部門の道をたどることになる。また、標準化PMOがプロジェクトの成功という目的を掲げた場合、プロジェクトマネジャーからすれば、互恵関係の構築のために何をすればよいかを明確でなくなることも問題である。

いずれにしても、目的を明確にし、自分が何のために活動するのか、そして、どういうことをしてもらうとうれしいかを明確にすることは極めて重要なポイントである。


◆プロジェクトマネジャーを理解する

その上で、プロジェクトマネジャーを理解することが必要である。理解のポイントは3つある。ひとつはプロジェクトマネジャーがどういう仕事かということだ。これが理解できていないPMOスタッフはいないと思うが、逆に本当に理解できているPMOスタッフもそんなに多くはないだろう。要するに、自分のPM経験の中で理解しているだけというケースが多く、ここはあらためていく必要がある。

二つ目は、ステークホルダからどういう期待を受け、また、どういうプレッシャーを受けているかである。この点は支援の際には丁寧に聞いていく必要がある。

もうひとつ重要なのは、「プロジェクトマネジャーが何をもとに評価されているか、報酬を受けているか」である。PMOスタッフでも比較的組織キャリアの長い人はこの点をよく理解できているのだが、若いスタッフがうまく支援できていないケースを見ると、この点に対する理解不足がきわめて多い。単にプロジェクトの成功という業績だと思っていると、日本の組織ではまずうまくいかない。

いすれにしても、これらを中心にして、相手の価値観はできている。


◆交換手段が必要

ここまでくれば価値観が明確になり、価値観に訴えるにはプロジェクトマネジャーとどのような価値交換の構想はできてくるだろう。そこで、具体的な関係構築に入る。

関係構築において、重要なのは「カレンシー」と呼ばれる概念である。カレンシーとは通貨のことで、お互いに相手の価値観に適合した価値の交換をするための手段である。たとえば、あなたがよりよい人事評価を得るために、一生懸命働いているとしよう。この場合、一生懸命働くことがカレンシーになっている。

実は、前回紹介した事件が問題なのは、価値観であるとともに、カレンシーがうまく
交換できていない点にある。

カレンシーについては、また、次回。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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