本文へスキップ

イノベーション実践、コンセプチュアルスキル、プログラムマネジメント、プロジェクトマネジメント、PMOについての最先端の情報、研修、セミナー、コンサルティングをお届けします。

開催決定セミナー

顧客の声  セミナーカレンダー

(本社)0774-28-2087 (携帯)080-2441-0805

【PMOコラム39】PMOとPMのレシプロシティ(2007.12.10)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


前回は、PMOが作る標準というのは、その通りにやればプロジェクトマネジメントがうまくいくというものでなくてはならないということを述べた。ただし、マネジメントである以上、それは現実的に難しい。そこで、標準化のプロセスそのものを考え直す必要があることを指摘した。

◆PMOとプロジェクトマネジャーの関係の基本は「互恵関係」

今回は、少し、視点を変えて、この議論の本質を考えてみたい。この議論の本質にあるのは、「レシプロシティ」だと思う。日本語では「互恵関係」という。簡単にいえば、「よい行動には見返りが、悪い行動には報復が戻ってくる」というものだ。

ここで、多くのPMOスタッフが頭を悩ますのは、何がよい行動かということである。

たとえば、あなたが

「上位組織のマネジャーが入る定例のレビューミーティングで、プロジェクトマネジャーの進め方に賛成の態度を示す」

と、その見返りとして、プロジェクトマネジャーは

「プロジェクトであなたが提唱する標準的な手法を使って、成果を作ってくれる」

といった行動をすることを期待するだろう。このような価値の交換が生じるのはレシプロシティである。

何でもない話のようだが、これは以外と難しい。その理由は、価値であるので、決めるのは相手であり、自分である。つまりは主観である。思いつきや、自分の価値感で行ったのでは、相手はそれを評価しない。

相手に評価されないと、人間だれしも、「なんだ、あいつ」という感情が芽生える。こんな事件があった。


◆ある事件

プロジェクトマネジャーがプロジェクト計画書をなかなか出さない。プロジェクト計画書を出さなければ建前上はプロジェクトは承認されず、作業に着手することはできない。このプロジェクト担当のPMOスタッフは時間がないので、苦労しているのだと思い、そこで、良かれと思って、代わりに計画書のたたき台を作って渡した。プロジェクトマネジャーは一応受け取った。

そこまでしてやったのだから、当然、すぐに計画書が出てくると思っていたが、依然として出てこない。後でわかったのは、このときに顧客側が経営陣の異動があり、計画がひっくり返りそうになっていた。落札はしたもののまた、入札はしていない。プロジェクトマネジャーは、まず、この問題をなんとかするのが先決だと考え、顧客の社内提案の支援をしていたのだ。この時点で、プロジェクトマネジャーは計画書を書いてもらってもありがたくもなんともなかったので、当然、ほったらかしにしていた。

一方、PMOスタッフは顧客の問題に立ち入っていくのはPMOとしては行き過ぎだと考え、できる範囲で最善を尽くしたと思っている。にも関わらず、プロジェクトマネジャーは何もしない。最初はやんわりと言っていたが、だんだん、攻撃的になってきた。計画書も出していないのに、契約前に顧客に入り込んで仕事をしているというのはどういうつもりだといったことを言い出した。

不幸にもこの企業のPMOは結構強く、最終的にこの声は通ってしまった。事業部長が出てきて、プロジェクトマネジャーに対して、顧客の内部の問題に首を突っ込むな、それよりは提案通り(内示通り)の内容という前提で社内の準備をしろという裁定をした。

どれだけの因果関係があるかは分からないが、結果としてこのプロジェクトは顧客側で中止になった。

この事件における、PMO側の問題は何だろうか?これは理屈をいうのは簡単である。たぶん、まっ先に出てくる答えは状況を理解していなかったという答えだろう。ただ、理解していなかったわけではない。プロジェクトマネジャーとも話をしていたし、顧客側の状況も知っていた。

この問題の本質は、価値観にある。PMOスタッフは、自分たちは間接部門であり、プロジェクトマネジャーが稼いでいる。プロジェクトマネジャーの仕事を助けて利益が出るということを分かっていたにも関わらず、本当にそうは思っていなかった。社内ルールを守るということと、顧客へのサービスをすることを比較したときに前者が勝っていたのだ。えてしてこんなものだ。

では、どうすればよかったのだろうか?これは次回。


◆プロジェクト品質を向上させるプロジェクト監査のセミナーを開催します
╋【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
◆プロジェクト監査の理論と実際                ◆7PDU's 
  日時・場所:【東京】2017年 06月 30日(金)  10:00-18:00(9:40受付開始)
           ちよだプラットフォームスクウェア(東京都千代田区)
        【大阪】2017年 07月 28日(金)10:00-18:00(9:40受付開始)
           大阪市中央公会堂(大阪市北区)
  講師:鈴木道代(プロジェクトマネジメントオフィス、PMP,PMS)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/pm_audit.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
  【カリキュラム】
   1.プロジェクト品質とは
   2.プロジェクトマネジメント品質向上への取り組み事例
   3.プロジェクト監査と進め方
   4.事例に見るプロジェクト監査の活用法
   5.プロジェクト監査の視点
   6.監査の実際
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

メルマガ紹介

本連載は終了していますが、プロジェクト&イノベーション購読にて、最新の関連記事を読むことができます。

コンサルティングメニュー紹介

PMOコンサルティング、PMOアウトソーシングサービス、人材マネジメントサービスなど、御社に最適のコンサルティングをご提案させていただきます。まずは、お問合せください。

コンセプチュアルスキル診断

サイト内検索

お薦めする書籍

メルマガ購読

公開セミナー(カテゴリー別)
日付順  カレンダ

顧客の声(掲載をご許可いただいた受講者の方のアンケート結果)

すべてのセミナーが企業研修に対応できます。お問合せください。

ブログ

PMstyleプロデューサー

プロジェクト・イニシアチブ

Facebook

Facebook

Twitter

PMコンピテンシーとは