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【PMOコラム17】ガバナンスマネジメントとアカウンタビリティ(2007.02.19)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆PMI(R)のガバナンスフレームワーク

PMI(R)の示した組織ガバナンスのフレームワークでは、上位に戦略的計画があり、それを支える形で

・業務のマネジメント
・プロジェクトによるマネジメント

の2つが位置づけられている。そして、さらに、プロジェクトによるマネジメントの中は、

・ポーフォリオマネジメント
・プログラムマネジメント
・プロジェクトマネジメント
・プロセスツールメトリクス

から構成される構造になっている。つまり、組織のガバナンスは業務管理だけではなく、プロジェクトによるマネジメントによっても実現されている。その割合は組織によって異なるが、SI企業などの中には、組織ガバナンスのほぼ100%近くをプロジェクトによるマネジメントにゆだねている組織もある。


◆内部統制とプロジェクトマネジメント

一方で、今、ガバナンスが大きな問題になろうとしている。内部統制が法的に規制される時代がやってきている。大半の注目はなぜか業務マネジメントに向いているが、実際には現在ではプロジェクト型の業務運営がない企業は皆無に近い。その意味で、コーポレートガバナンスをきちんと統制していくには、プロジェクトによるマネジメントを行っている業務のガバナンスのマネジメントが大きなポイントになる。

プロジェクト型業務のガバナンスとしては、業務マネジメントのルールをそのまま適用しているケースが多い。例えば、プロジェクトの予算内でも、プロジェクトからの支出の決済は通常の業務と同じく金額に応じて相応な職責のもの(プロジェクトの統括組織のラインマネジャー)が管理するという方法だ。

このような方法は一見、合理性があるように見えるが、実態としてはプロジェクトガバナンスの混乱の一因になっていることが多い。このような制度の運営の実態としてはいくつかのパターンがある。代表的には、

(1)ラインマネジャーは形式的に決済をする(プロジェクトに意思決定を委譲する)
(2)ラインマネジャーが内容に立ち入った判断をする(プロジェクトマネジャーの決定をラインマネジャーがひっくり返す)

の2つを上げることができる。


◆プロジェクトガバナンスと組織ガバナンスを両立させるには

前者の場合、プロジェクトガバナンスの所在は明確になるが、組織ガバナンスの混乱を招く。また、プロジェクトマネジメントの立場から不要な仕組みだといえる。後者の場合、組織ガバナンスの強化の立場からは望ましいが、プロジェクトガバナンスの所在が非常にあいまいになる。特に、お金と時間は相関性の強いものだが、お金に関するガバナンスを組織側に残して、時間やその他のマネジメントイシューのガバナンスをプロジェクトに委譲するというのはある意味でナンセンスであり、プロジェクトマネジメントをやりにくくする一因となる。

このように考えていくと、今のプロジェクトガバナンスは決してきれいにマネジメントされているものではない。もともと、プロジェクトは組織的にはマトリクス組織であり、リソースに関するコンフリクトはある意味で宿命である。しかし、このことと、ガバナンスの所在を明確にすることは別の次元の問題である。リソースに関するコンフリクトがあったとしても、ガバナンスは明確にプロジェクト側に渡されるべきであり、それがプロジェクトマネジメント成功の第一歩である。

一方でプロジェクトマネジメントはガバナンスを渡された限り、プロジェクトの内部と透明化し、組織の統制ニーズに応えていく義務がある。これがアカウンタビリティである。プロジェクトガバナンスマネジメントとアカウンタビリティの確保の2つが揃って初めてこれからのプロジェクトマネジメントのあるべき姿である。

これらを実現していくことこそ、プロジェクトマネジメントオフィスの最大のミッションだといえよう。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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