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第4回 ラインマネジャーはプロジェクトスポンサー(2006.04.03)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆横断組織でプロジェクトを行う場合

前回はラインでプロジェクトを実施する場合について述べたが、この場合はある意味で日常的業務を洗練していけばプロジェクトも成功する。また、そのうち議論するが、確かにプロジェクトマネジメントの仕組み上、難しい部分もある。たとえば、ラインマネジャーがプロジェクトマネジャーを担当する場合に、人材育成と業務成果のバランスを如何にとるかといった問題が最たるものだ。しかし、横断組織でプロジェクトを実行することに較べると、期待以上成果は期待できない分、リスクも少ない。

横断組織でプロジェクトを行う場合、ライン組織でプロジェクトを行うことに較べると、より深いラインのプロジェクトマネジメントへの理解が必要になる。まず、ここがポイントになる。プロジェクトマネジメントの導入初期には、ラインマネジャーのプロジェクトマネジメントプロセスへの理解不足のためにプロジェクトが困難に陥ることが少なくない。するが、実際にはそれでは遅い。自部門の要員の稼動計画に反映しておく必要がある。たとえば、「プロジェクトは限られた要員で何とかしていくものだ」と理解しているラインマネジャーは驚くほど多い。もちろん、中には人材不足なので、「確信犯」的にそのような態度をとっている人もいるが、本当にそう考えている人の方が圧倒的に多い。これと同じ理由だが、プロジェクト計画(スケジュールと予算)は初期の段階で全て作って、それを何とかして実行していくものだと考えているラインマネジャーも多い。実は、この2つは根本的に矛盾があるのだが、それにすら気がついていない人も少なくない(後者についてはプロジェクトマネジャーの中にもそのような誤解をしている人が結構いるので、ラインマネジャーが誤解するのは無理ないことかもしれないが、、、)

ラインマネジャーはリソースマネジメントをしているので、そこにこのような誤解があっては、プロジェクトの成功は望むべくもない。成功するプロジェクトはラインマネジャーをねじ伏せるような豪腕のプロジェクトマネジャーが担当しているプロジェクトだけという、現実になってしまう。

もう一つ、プロジェクトマネジメントへの理解不足が原因で起こる問題の例を挙げてみよう。ライン組織に、自部門で行っているプロジェクトと横断組織で行っているプロジェクトが混在している場合に起こり勝ちな問題で、自部門の仕事(都合)を優先するという問題である。この場合、多いのは、自部門の仕事については当然マネジメントをしようとするが、横断組織の仕事については人を供出するだけでマネジメントをしようとしないパターンである。つまり、人を決めたらほったらかし。プロジェクトに参加する人には計画に基づいてやっているという前提の下に、計画が変わるとやたらとプレッシャーをかけたりする。

◆母体組織とは
では、ラインマネジャーは何をすべき?という問題について考えてみる。そもそも、ラインマネジャーというのはプロジェクト組織の中でどのように位置づけられるのだろうか?ラインマネジャーの役割を考えるヒントはそのあたりにある。

この問題を考える前に、少し、脱線するが、プロジェクトマネジメント(PMBOK(R))でいう「母体組織」とは何かということに触れておく。PMBOK(R)だと母体組織は

 プロジェクトの作業にもっとも直接的に関与する従業員が所属する組織

と定義されている。この定義はいろいろなケースを考えてあるのでこんな表現になっているが、単純にいえば、プロジェクトメンバーの所属組織のことである。組織横断的なプロジェクト組織の場合には、主要メンバーのすべてを包含できる組織まで上に上っていくことになる。たとえば、いくつかの課からメンバーを出すのであれば、部が母体組織になるし、いくつかの部から出す場合には、事業部を母体組織と考えることができる。今、議論しているラインマネジャーは母体組織のマネジャーであることが多い。

さて、このとき、人という資源はどのように扱われるべきか?PMBOK(R)では、プロジェクトのメンバー(要員調達の対象)は母体組織から出てくることになり、それ自身はコストの対象にならない。つまり、コスト的にいえば、工場のラインでものを生産するのと同じ管理方法になっている。コストよりは稼働率が問題になり、人件費は工数に配賦され、工数で管理される。

ところが、現実に目を向けると、どのような業界のプロジェクトでも、稼動率より、(スキルのある)要員確保が問題になってくる。このようになってくると、人もリソースとして扱う方が現実的になる。極論すれば、資金確保のネゴシエーションをするように、要員確保のネゴシエーションをラインとしなくてはならない。

このような場合に、ラインマネジャーに担ってほしい役割はプロジェクトスポンサーの役割である。プロジェクトスポンサーとは、PMBOK(R)でいえば

 プロジェクトに対して資金や資材等の財政的資源を提供する人やグループ

である。


(以下、次回に続く)


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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