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第9回 エンパワーメントと「任せる」(2008.7.15)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆日本流「任す」と「エンパワーメント」

コントロールにおけるリーダーシップもいくつかのポイントがあるが、もっとも重要なポイントはエンパワメントである。今回は、メンバーのエンパワーメントについて考えてみる。

エンパワーメントという単語が日本語に入ってきたときに、最初に当てられた日本語は権限委譲だったが、エンパワーメントの本来の意味は、権限委譲よりも、むしろ、日本組織で従来から行われてきた「任す」という概念に近いものである。ところが従来の日本企業のマネジメントは責任を明確化するという習慣がなかったため、異質のものだと考えられてきた。

今、日本組織のマネジメントにおいてもプロジェクトマネジメントのように各自の責任を明確にした上で、責任を果たすことを目標とさせるというマネジメントに変わってきた。そこで、改めてエンパワーメントというか、日本型の「任す」をどのように各自が明確な責任を持った業務の実施体制の中に持ち込んでいくかという課題がクローズアップされている。

◆エンパワーメントの前提

まず、エンパワーメントの前提であるが、プロジェクトのゴールがストレッチされたものであることだ。もし、ゴールが通常のゴールであれば、単に管理すれば達成できる。管理だけでは達成できないようなゴール(プロジェクト納期、コスト、品質、顧客満足度など)を設定する経営的な理由があるからエンパワーメントが必要になるのだ。

この部分の感覚が逆、つまり、ゴールが厳しければ厳しいほど、管理的な介入が重要であると考えるマネジャーもいる。それはその人の流儀であるが、エンパワーメントを考える範囲の話ではないことに留意しておいてほしい。


◆エンパワーメントとは

さて、ではエンパワーメントとは何か?プロジェクトマネジャーの視点から非常に単純にいえば

 権限委譲+リーダーシップ

である。つまり、メンバーに与える課題の解決に必要な権限を与えた上で、その課題が解決できるように影響を与える、つまりリーダーシップ行動を取るのがエンパワーメントであると言える。

では、この場合のリーダーシップ行動とはどのようなものか?大雑把にいえば

・目的・目標の合意
・自由度の供与
・補完的な支援
・信頼関係の構築

の4つである。

一番目の目的・目標の合意では、シンプルに目的と目標の表現をした上で、その達成イメージを共有することである。次の自由度の供与は、やり方に対して口出しをしないことや、やっている様子を心配そうにしないことである。三番目の補完的な支援は、任せていても難しい部分もあるので、そこについては他のメンバーに分担させたり、支援させるなど、適材適所の業務分担を行うことが必要である。また、もう一つのポイントは任せた上で、任せたことによるリスクのマネジメントをやる必要がある。

さらに、四番目の信頼関係とは、必要な時には支援してくれるという信頼関係であり、ここを一つ間違えると、メンバーはいわゆる「丸投げ」と感じてしまう。「丸投げ」ではなく、任されているけど、適切な支援をプロジェクトマネジャーから自発的にしてくれるという信頼関係の構築が重要である。


◆なぜ、エンパワーメントができないか

このように書くと、今、プロジェクトマネジャーの年代(35〜45歳くらい)の人は、自分が育てられた方法だと感じる人は少なくないだろう。ところが、今、このようなマネジメントを実践するのは非常に難しい。

原因は目標管理にある。目標管理により、2つの困難が発生している。ひとつは、メンバーの仕事のできがプロジェクトの出来に直結し、それはプロジェクトマネジャー自身の業績に直結する。したがって、非常にリスキーなマネジメントだと考えてしまうことがあげられる。

二つ目は上に述べた4つのリーダーシップ行動の中で、特に(4)の新蘭関係の構築が時間的に難しい。プロジェクトマネジャーもステークホルダとの調整など、自身の業務を持っており、それをこなしながら、常時プロジェクトメンバーに(4)のような視点の目配りをするというのは極めて難しいのだ。


◆エンパワーメントの失敗パターンと解決法

このようなことに端を発するエンパワーメントの失敗パターンには以下のようなものがある。

P1:任せると心配で、手間がかかるのでつい自分でやってしまう
P2:任せるといろいろと不備が見えて介入してしまう
P3:下流工程、低付加価値作業だけを任せる
P4:プロジェクト成功の目処が立つまで目標達成を優先し、余力ができると育成す

P5:任せたが、面白くないというので放棄された

などがある。

このような困難に対して、どのような対応をするか?これが問題だ。たとえば、P1の「任せると心配で、手間がかかるのでつい自分でやってしまう」という失敗であれば、

・個人貢献度の高いプロジェクトにおけるリーダーシップとは何かを理解する
・プロジェクトマネジメントの業績とは何かという理解をする

などの方法で回避できるだろう。

ここでエクスサイズ

【エクスサイズ:他の問題にどう対処する?】

P2への対処

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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