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第41回 ミドルマネジャーが経営の意図を読み解き、プロジェクトを起こす(2009.12.28)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆トップダウンかボトムアップか、それが問題だ

キャッチアップの時代は現場が自律的に動くことができた。ゴールが明確だからだ。ところが、最近は動けなくなっている。深刻な問題だと思う。

マネジャー向けのプロジェクトマネジメントのツールの一つに、GBS(ゴールブレークダウンストラクチャー)というのがある。文字通り、ゴールをブレークダウンしていくツールだ。この世界に違和感を感じる人も多い。イノベーションを起こすためには現場だけではだめだ。だからといって、トップダウンはなじまないと考える組織は多い。

プロジェクトマネジメントの組織の成熟度を考えたときに、現場が暴走するよりは、GBSのような発想で統制されている方がよいのは間違いない。では、GBSの世界と、現場の自律的活動はどちらがよいのかという問題だ。

著者が仕事を始めたときには、現場が圧倒的に強かった。「経営は現場に口を出すべきではない」というロジックさえもまかり通っていた。10年くらいすると、経営は現場を理解すべきだという風潮になってきた。経営の存在を意識し出すも、やはり、現場中心主義であった。このあたりが、キャッチアップの最終局面だった。現場も未来永劫、繁栄を謳歌するとは思えなくなってきた。自らが後進国のキャッチアップの対象になってきた一方で、先進国に追いついた後の展望が開かれなかったのだと思う。

この時期は、盛んに、追いついたようでもまだ、5年は遅れているというような雰囲気だった。ひどい場合には、周回遅れだという人もいた。皮肉なことに周回遅れは当たっていた。周回遅れで競争をしていた企業は今、がたがたになっている。当たり前だ。商品自体は競争力を持てても、組織能力としては競争力を持てない。つまり、競争力に持続性がないのだ。

今、現場のあり方は、経営から課題を突きつけられているように思う。統制するのは技術的にそんなに難しいことではない。よい例が日産のゴール改革である。優秀な労働者は、統制されてばある方向性で間違いなく、成果を上げる。しかり、本質的に統制をよしとしないメンタリティがある。


◆ミドルアップダウンという選択

両立の道はないのだろうか?

昨年、課長ブームの火付け役となった酒井穣さんの「はじめての課長の教科書」に興味深いことが書いてある。ヨーロッパの企業では課長という職位は非常に少数だというのだ。日本に課長が多いのは年功序列のせいもあると思うが、トップダウンの統制を考えた場合に、課長というマネジャーはあまり必要ない。事業遂行という視点から考えると、課という単位はあまり意味がないことが多いからだ。ただし、人材育成という視点からすると、課長というポストの役割は大きい。ここが一つ、欧米との違いだろう。

酒井穣「はじめての課長の教科書」ディスカヴァー・トゥエンティワ(2008)

もう一つはキャッチアップをしていたということもあり、現場に権限を与えた。そこで、生じる齟齬に対しては、課長が調整役として機能した。これが多くの課長が必要な本質的な理由だと思う。

キャッチアップの時期が終わり、戦略経営になって課長のこの機能は役割を終えているようも思えるが、それは誤認だ。課長をはじめとするミドルマネジャーの役割はむしろ、大きくなっていく。それは、実行できる戦略を策定するためには、現場に近いところで、経営の意図を読み解いて戦略を策定し、その戦略を現場に落としていく機能が必要になっているからだ。これこそが、ミドルマネジャーの最大の役割だと言えるし、今後、組織的プロジェクトマネジメントの中では日本企業は優位性を持ちうると思われる。


◆よきに計らうことこそ、成熟の源泉

日本には「よきに計らえ」という文化がある。キャッチアップの時代は、柱を作らないで「よきに計らえ」とやっていた。その主役は現場であり、ミドルだった。今は、経営ビジョンという柱がないと持たない。しかし、依然として戦略を作って、経営ビジョンを実現していく部分では、よきに計らえなのだ。GBSの世界ではない。

もっと厳密にいえば、結果として、GBSはできるのだが、ブレークダウンではなく、推し量りできていく。ミドルは経営の意図を推し量り、戦略をたてる。つまり、自分が管理するすべてのプロジェクトの目的を決定していく。プロジェクトはミドルの意図を推し量り、プロジェクトを計画する。

このようにして、経営ビジョンが実現されていけば、強い企業であり続けるだろう。この推し量り、違う言葉でいえば、「一つ上の視座で計画する」ことこそ、成熟度の源泉ではないかと思う。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「プロジェクトマネジャー養成マガジン」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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