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第24回 プロジェクトスポンサーの仕事(2009.07.27)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆プロジェクトスポンサーの5つの仕事

最初に、プロジェクトスポンサーって日本語ではなんというの?という質問を受けた。基本的にはプロジェクトの上位管理者でいいと思うが、もう少し、ニュアンスを前面に出したいときには、プロジェクトマネジャーの後見人という言い方が適切なのではないかと思う。

さて、前回述べたようにそのプロジェクトスポンサーの責任は、プロジェクトの上位管理者としてプロジェクトを成功させることにある。そのためのスポンサーの仕事はおおむね、以下の5つに分けることができる。

一つ目は、プロジェクトの構想計画である。二つ目はプロジェクトの経営的管理である。三番目はプロジェクトマネジャーの指導である。四番目はプロジェクトチームの支援、そして五番目はステークホルダとプロジェクトの関係のファシリテーションである。


◆プロジェクトの構想計画

まず、一番目のプロジェクトの構想計画について。この中では、戦略上のプロジェクトの目的の明確化と、目的を実現するためのプロジェクトの定義の2つを行わなくてはならない。

目的の明確化についてはすでに第21回で述べたので、プロジェクトの定義について説明しておく。目的が定まれば、次はプロジェクトを構想し、定義していく。プロジェクトの定義においては、まず、プロジェクトの優先順位の設定を行う。SIビジネスをやっている組織では、顧客から受注したプロジェクトはすべて重要で、優先順位をつけられないという建前論をいうマネジャーもいるが、たとえば、10人のプロジェクトマネジャーがいれば当然ランクはあるし、エンジニアについても同様。また、不幸にもトラブった場合には、スケジュール通りにやらなくてはならないプロジェクトと、泣きながらもスケジュールを遅らせるプロジェクトが出てくるのは仕方ない。

このように、プロジェクトの優先順位というのはすべての顧客のためといったきれい事ですむはずがないので、必ず必要である。

目的と優先順位が決まれば、次は、プロジェクトマネジャーを決め、実施の諸条件を決める。もちろん、これらの決定において、優先順位は重要な意味を持つ。プロジェクトマネジャーが決まれば、プロジェクトマネジャーと相談しながら、マイルストーン、品質レベルなどの目標、および、プロジェクトのおおよその体制(要員規模とロック要員)を決める。

この辺りまでが、プロジェクトの構想計画である。


◆経営的プロジェクト管理

プロジェクトスポンサーが構想計画を作ったプロジェクトについては、必ず、プロジェクトの経営的管理を行う。

経営的管理というのは、プロジェクトマネジメントの一環であり、経営的な視点からのプロジェクトマネジメントである。プロジェクトの構想計画そのものがプロジェクトの経営的管理のスタートである。プロジェクトが計画を作っている際の経営的管理としては、まず、もっとも重要なのは、プロジェクトの前倒し計画をプロジェクトマネジャーと一緒に作ることである。前倒し計画を作ることによって、経営的プロジェクト管理をスムーズに行うことができる。その意味で、もっとも重要である。

次に重要なのは、リスクマネジメント計画を作ることだ。プロジェクトリスクマネジメントは、計画通りに実施できないリスクのマネジメントが基本であり、その中にはたとえば、
・顧客が思ったような対応をしてくれない
・為替レートが変動してしまう
・ライン組織による技術開発が間に合わない
・材料が高騰する
・競合が早い時期に新商品を出す

といったリスクを含めるべきでない。リスクマネジメントはプロジェクトで閉じてしまうことが多く、結局、これらの組織としてのプロジェクトリスクはプロジェクトに対応を丸投げになることが多いからだ。

そこで、まず、プロジェクトスポンサーが構想計画の段階でリスク登録簿を起こし、そこにプロジェクト計画時点でプロジェクトが計画リスクを入れ込み、共有しながらリスク管理をしていくことが肝要である。

これらの活動は計画レビューとして行っていけばよいだろう。

三番目はプロジェクトマネジャーの指導である。その後にプロジェクトチームの支援という項目も出てくるが、指導と支援の違いを認識しておいてほしい。指導は意志決定を強要するものであり、支援は意志決定を強要しない。


◆プロジェクトマネジャーの指導とプロジェクトの支援

プロジェクトスポンサーの活動の中でもっとも誤解されているのが、プロジェクトマネジャーの指導ではないかと思う。プロジェクトマネジャーには支援ではなく、指導する必要がある。プロジェクトマネジャーの支援はPMOの仕事であり、スポンサーの仕事ではない。
一方で、プロジェクトチームに対しては、支援をしなくてはならない。たとえば、メンバーが技術的な問題で困っていたとしよう。その際に、それを何とかするのは、プロジェクトスポンサーの仕事である。方法は、メンバーの教育かもしれないし、適切なアドバイザーを紹介することかもしれない。いずれにしても、スポンサーが責任を持って対応する必要がある。


◆ステークホルダのファシリテーション

もう一つ重要な仕事は、顧客とプロジェクト、上位組織とプロジェクト、ベンダーとプロジェクトなど、ステークホルダ間の利害関係の対立があった場合には、その解決のファシリテーションをする仕事である。つまり、中立的な立場で、対立をうまく解消していくことが求められる。

以上がプロジェクトスポンサーの仕事である。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「プロジェクトマネジャー養成マガジン」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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