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第8回 目的・目標の合意(2009.03.16)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆エンパワーメントのための3つの行動

前回、エンパワーメントという考え方に触れ、エンパワーメントを実行していくには、

(1)目的・目標の合意
(2)自由度の供与
(3)補完的な支援

などを行うことが必要であることを説明した。また、プロジェクトとはエンパワーメントであると述べた。今回はこの続き。これを具体的な活動に落としてみたい。

まず、一番目の目的・目標の合意である。


◆目的は同じでも行動レベルの目標は対立することがある

プロジェクトには目的や目標がある。ここで注意を要するのは、目的や目標には組織のものもあれば、顧客のものもある。もちろん、プロジェクトへ参加するプロジェクトマネジャーやプロジェクトメンバーの目的・目標もあることだ。

例えば、SIのプロジェクトで顧客の目的はビジネスの拡大だったしよう。これに対して、受注したSIベンダーの目的は売上を上げることで、プロジェクトマネジャーは顧客の満足するものを提供すること、そして、メンバーは技術的に新しいものを開発することなどといった状況というのはあるのだ。

この状況で一番、もっともらしい意見は、顧客のためにやることなのだが、ただ、この目的は目的であって、どのような行動目標を設定するかが大問題である。行動目標になると、いろいろなものが考えられる。思いつきだが、

(1)顧客の言うとおりの仕様にする
(2)顧客のビジネスに役立つ仕様にする
(3)顧客ロイヤリティを高めるような行動を取る

など。


◆行動目標によって計画が変わる

さて、エンパワーメントのための合意は基本的にはプロジェクトと組織の合意であるので、目的だけではなく、行動目標レベルでの合意が必要である。例えば、上に3つの行動目標を上げたが、どれかが決まっていなくてあとで困ることは少なくない。SIプロジェクトであれば、どれかによって調達行動が変わる。

(1)であれば、調達コストの低減を行うしかない。平たくいえば、如何に安い外注を探してくるか、あるいは、外注とどれだけ価格交渉ができるかにプロジェクトの成否がかかってくるといってもよいだろう。組織とプロジェクトの間ではこれが一番やりやすい。問題を外注に転稼することになるからだ。ただし、このやり方だと、顧客との行動目標の合意がうまくいかないのは目に見えており、その後始末は結局プロジェクトが負うことになる。

(2)であれば、スコープ調整を行うことによって、実現することができるが、そのためには顧客に対する深い理解ができるような計画を立てる必要がある。この場合は、プロジェクトの活動、あるいは、組織の活動に何らかの影響が出てくる。例えば、組織からすれば、上流工程をできる人材をそのプロジェクトに大幅に取られてしまい、他のプロジェクトが手薄になるといった問題が生じるかもしれない。プロジェクトからすれば、工数の増加が必要になるかもしれない。と言った具合だ。

(3)であれば、プロジェクトの問題よりは、組織の問題になる可能性が大きい。組織としてのプロジェクトの進め方の工夫、組織としての顧客への総合的な対応などに取り組んでいく必要があり、それは組織にとっては大きな負担になる。


◆目的と行動目標の両方を合意することが重要

このように目的レベルでは合意できても、行動目標のレベルではすんなりと合意するのは難しいケースが多いことをよく考えておく必要がある。

少し、先の話になるが、このような合意の仕組みとしてはプロジェクト憲章がある。プロジェクト憲章はこのためだけのツールではないので、もう少し、あとで説明する。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「プロジェクトマネジャー養成マガジン」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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