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特別編 プロジェクトマネジメントをガラパゴス化させないために(2010.09.27)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆ガラパゴス化とはなにか

10月28日(終了しました)に実施するプロジェクトマネジメント無料特別セミナー「PMO2.0」の副題に、「ガラパゴス型からの脱出」というタイトルをつけたところ、何人もの方からどういう意味ですかという問いを受けることになった。

もう少し、一般化した言葉だと思っていたので、意外だった。この言葉を最初に使ったとされている野村総研のNRI未来ナビに収録される論文「「ガラパゴス化」する日本」では、以下のように説明されている。

技術やサービスなどが日本市場で独自の進化をとげて、世界標準からかけ離れてしまうという現象が起こっています。このような現象は、生物の世界でいうガラパゴス諸島における現象にたとえられて「ガラパゴス化」といわれています。

もともとは国内でどんどん高機能化するのに、海外に展開できない携帯電話に対する言及から出てきた言葉であるが、こういう例は今に始まったことではない。呼び名はともかく、我々がこの問題を最初に意識し出したのは、パソコンではないかと思う。一時は、国内で80%以上のシェアを持ったNEC製のパソコンPC−98が、やがて、コストパフォーマンスに優れたグローバル標準PC/AT互換機の上陸とともに、終焉した。

最近では、携帯電話、電子マネーといったハードウェアだけではなく、医療サービスや大学、会計基準などでもガラパゴス化という言葉が使われるようになっている。

◆Macをガラパゴスだと思う人はいない

ここで、おもしろいことに気づく。上に述べたパソコンの事例を考えて見ると、今をときめくアップルは一貫して、Macを進化させて続けている。Windowsが登場する前の80年代には10年、今でも5年は進んでいるといわれるくらい、高機能化している。シェアは10%以下。しかし、Macをガラパゴスだという人はいないように思う。なぜだろうか?ここをきちんと整理しておく必要がある。

ガラパゴスの議論はシェアの議論ではない。規格の地域的な標準性、つまりグローバススタンダードの議論である。10%に満たないシェアであっても、それが世界のどこの国にいっても10%のシェアがあれば、立派なグローバルスタンダードである。どこの国にいっても10%のシェアがあるということは、その国でそのパソコンを選ぶことができるということを意味しているからだ。

日本人は未だに頭の構造が護送船団方式なので、標準をユニークなものだと考えたがるが、これは誤解である。

◆プロジェクトマネジメントのグローバル標準

プロジェクトマネジメントでもまったく同じことだ。プロジェクトマネジメントには大きな標準が2つある。一つは日本でもよく知られているPMI(R)の標準体系である。もう一つはヨーロッパのIPAMの標準体系である。日本人には圧倒的にPMI(Rが多いと思っている人が多いようだが、実は拮抗している。

これだけがグローバル標準と目されているかというとそんなことはない。例えば、イギリス商務局 (OGC) が提唱しているPRINCE2がある。これは、カバーする範囲は、PMIのPMBOKとほぼ同じ範囲だが、グローバル標準だと考えている人が多い。

プロジェクトマネジメントのグローバル標準というのは結構あいまいな概念で、国際プロジェクトがその標準を使って実施されればその標準はグローバル標準だと考えるのが自然だと思われる。その意味で、PRINCE2は疑いようのないグローバル標準である。

では、その中でガラパゴス化するとはどういうことか?著者は過去に、プロジェクトマネジメントも含めていくつかの技術やマネジメントの国際標準策定の活動に参加した経験がある。その経験からすれば、ガラパゴスとは、度を超えて自国の常識や慣習を取り込んだものである。技術の場合は産業的な話だけであるが、マネジメントになると国という単位だけでは済まない。宗教や思想信条を越えてそのやり方に従うことができることが必要である。

◆P2Mの可能性

そのように考えると、日本の社内で独自の方法で行われているプロジェクトマネジメントはほとんどガラパゴスではないかと思える。今、会計の国際基準対応が大騒ぎになっているが、会計すら対応していないということは、マネジメントはまず、国際的に通用する考え方になっていない。その下で行われるプロジェクトマネジメントがグローバルに活用できる可能性はほぼゼロだと思えるからだ。生産におけるトヨタ方式のようなインパクトがあるプロジェクトマネジメントの独自方式というのは聞いたことがない。

さて、ガラパゴス化を解消するには、どのようにすればよいのか?

護送船団方式で大きな標準に乗ればよいとは思わない。標準というといかにも同じ土俵のように聞こえるが、その認識は間違いで、競争のルールそのものだと考えた方がよい。自分の不慣れなルールで戦えば、日本人の改善精神をもってしても、戦う前から負けるのは目に見えている。アップル方式をとるべきだ。少数派でもよいので、グローバルな標準を目指す。

その意味で、日本にむいているのはP2Mだと思う。日本の独自性があるがあり、日本の強みが生きるような標準である一方で、MBA的なマネジメント(経営)やビジネスを前提にしており、日本以外では受け入れられないと思えるマネジメントやビジネスの慣行を前提にしている部分があまりないからだ。まさに和洋折衷である。

日本の企業がマネジメントに強みをもちたいのだとすれば、今後、P2Mの役割はどんどん重要になってくることが予想される。PRINCE2のようなポジショニングをするのも不可能ではないだろう。もし、嘘だと思う人がいたら、最近、清水基夫先生がとてもよい本を書かれたので、ぜひ、読んで見て欲しい。

清水 基夫「実践プロジェクト&プログラムマネジメント」、
日本能率協会マネジメントセンター(2010)

◆プロジェクトマネジメントがガラパゴス化する企業

蛇足だが、逆にガラパゴス化が危惧されるのは、現場にPMBOK(R)やCCPMを入れ、現場だけを強化して済まそうとするケースである。このようなやり方でプロジェクトマネジメントを強化しようとする企業のプロジェクトマネジメントは、10年後には間違いなく、ガラパゴス化しているだろう。

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   7.プロジェクトスポンサーシップを身につける
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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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