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第6回 目的や目標のバランスをとる(2009.11.10)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆戦略アラインメントの成功条件

前回は、戦略的アラインメントの成功の条件は

(1)バランスがとれ、また、よく考えられた目的・目標の設定されていること
(2)明確で、かつ、耐久性のある目的が設定されていること
(3)階層化をきちんとできるようなフレームワークがあること
(4)目標が計測可能であること
(5)ステークホルダの合意形成が行われていること
(6)実行計画が組織としての仮説になっており、実施体制作りが十分であること

の6つに集約されることを述べた。

今回から、これらについて説明していきたい。

◆プロジェクトポートフォリオについて

まず、最初の「バランスがとれ、また、よく考えられた目的・目標の設定されていること」という条件について考えてみよう。目的・目標のバランスをとるためには、バランスのとれたプロジェクトポートフォリオの組み方が重要になる。これはポートフォリオバランシングといわれることもある。

念のために、プロジェクトポートフォリオの概念について説明しておく。ポートフォリオは、ある管理スパンで実施する全プロジェクトに対して、

・ビジネス
・技術
・財務
・リスク

などの視点から、同じ評価指標を設定し、同じ土俵の上でプロジェクトの評価を行うためのツールである。指標にはたとえば以下のようなものが用いられることが多い。

・ビジネス視点
  事業に対する影響
  顧客や市場に対する影響
  生産性
・技術視点
  既存製品との技術的整合性
  技術の難易度
・財務
  売り上げ
  収益
  コスト
・リスク
  ビジネスリスク
  プロジェクトリスク

◆ポートフォリオの考え方

では、実際にはどのようなポートフォリオを組めればよいのか。

また詳しく述べるが、マネジメントバイプロジェクト(プロジェクトによる経営管理)は、簡単にいえば、戦略ゴールに対して、リソースを最適に活用するためにはどのようなプロジェクトを行えばよいかという問題を解くマネジメントである。一般的に、戦略を達成するために効果のあるプロジェクトはたくさん考えられる。一方で、組織の持つリソースには上限がある。そこで、どのプロジェクトを実施するかによって、戦略ゴールに対する貢献度が変わってくる。

どのようにポートフォリオを組むかという問題のもっとも単純な答えは、限られたリソースの制約の中で、戦略ゴールに対する貢献度を最大にするように組むことである。

たとえば、SIの事業を考えてみるとわかりやすい。ある事業部門で実施できるプロジェクトは、プロジェクトマネジャーやアーキテクトなどの人的リソースの制限で年間20だとしよう。引き合いは30が計画されている。すると、30プロジェクトの中の中から20を選ばなくてはならない。これをどうやって選ぶかという話だ。

仮に戦略が売り上げを最大化する戦略をとっていれば、大きな売り上げが見込まれる方から20選べばよいことになる。

◆指標抽出が戦略アラインメントの抽出

実際には、戦略計画から抽出される指標が財務だけということはあまりない。戦略を表現するには、上に述べたようにビジネスや技術の視点からの指標が必要になる。現実には、ポートフォリオマネジメントでもっとも難しいのはこの指標の抽出である。

また、戦略を実現するには、複数の指標を考える必要があることが多い。ポートフォリオのバランスとは言い換えると、指標のバランスであると考えてもよいだろう。指標のバランスがとれていて、初めて、ポートフォリオのバランスがとれる。

言い換えれば、ポートフォリオの指標は、戦略解釈そのものである。従って、プロジェクトの戦略的目的や目標は、プロジェクトポートフォリオの指標に従属して決定されると考えてもよい。

その意味でも、ポートフォリオを編成は戦略戦略アラインメントのポイントになることは間違いない。

◆ポートフォリオは動的

もうひとつ、注意しなくてはならないのは、ポートフォリオは静的なものではなく、管理しなくてはならないことだ。

たとえば、SI組織であれば、初期のポートフォリオは単に当期の予算計画に過ぎない。実際に受注すれば、ポートフォリオに組まれるプロジェクトが変わってくることがあるわけだ。つまり、受注プロジェクトをポートフォリオ上で調整しながら、受注活動を進めていくことになる。

商品開発の組織であれば、事業計画の時点で一旦確定できるが、プロジェクトの実施状況や、競合の状況によって変更する必要が生じることが多い。

◆バランスをとれるポートフォリオの作成のために

その中で、バランスをとるには、ポートフォリオの作成に当たり、以下のようなことを心がける必要がある。

・戦略的計画に掲げられている組織としての目的を網羅していること
・戦略レベルだけではなく、戦術レベルにおいても混乱が生じないように工夫する
・リスクとリターンの望ましいレベルを完全にカバーしたポートフォリオにする

◆ポートフォリオは調整ツールである

このようなポートフォリオを作成し、バランスを成功させるために欠かせないのがコミュニケーションである。ポートフォリオは評価ツールのようなイメージを持つ人が多いが、これはボスコンのPPMのように戦略パターンを示すものというイメージが強いからではないかと思う。また、プロジェクトポートフォリオについても、SDGのポートフォリオのようなプロジェクト選定の戦略パターンを示すものがある。

しかし、ポートフォリオの本質は調整ツールであり、コミュニケーションが適正に行われない限り、ポートフォリオが戦略アラインメントに効果を発揮することはないと思っておいた方がよいだろう。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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