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No7. プロジェクト憲章《一般》(2011.05.10)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

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【目的】プロジェクトを開始するために、高次のプロジェクトの記述をする

【用途】プロジェクトの計画や実行、スタッフィングの指針とする

【効用】プロジェクトの全プロセスにおいて、一貫性のあるマネジメントを実現する
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◆プロジェクト憲章とは

プロジェクト憲章は、プロジェクトの立ち上げの過程や立ち上げ直後において発生するプロジェクトに関する情報を収集し、整理し、ドキュメント化したものである。目的は、必要なことを決め、整理し、共有することである。さらに、プロジェクトマネジャーを指名する際に、「前提」とする目的もある。

PMBOK(R)の普及とともに、プロジェクト憲章という名称が定着してきたが、従来

・プロジェクト定義書
・プロジェクトデータシート
・プロジェクト起案書
・SOW

など、いろいろな呼び方をされてきた。これ以外にも、米国では

・Reference Specification
・Plan of record

と呼ばれることもある。

プロジェクト憲章を作成しているかどうかを尋ねると、作成していると答える組織は多くないが、実質的に上記のような目的のドキュメントを作っている組織は多い。すでに、相当するドキュメントがある場合には、そのドキュメントをプロジェクト憲章に位置づけても構わない。重要なのは、情報収集の方法、ドキュメント化すること、そして、書く内容である。


◆プロジェクト憲章の作り方
プロジェクト憲章を書くためには、必要なインプット情報を収集し、整理する必要がある。情報にはさまざまな性格のものがあるので、いくつかに分けて考えるとよい。PMstyleでは、

(1)スポンサーシップ情報のレビュー
・プロジェクトのビジネスニーズ
・ビジネスニーズからみた問題
・そのほか、プロジェクトに関連するすべての情報

(2)プロジェクトゴールの設定
・プロジェクトに望まれる結果
・プロジェクトのゴール

(3)条件の決定
・制約条件
・前提条件
・初期のプロジェクトスタッフに関する情報

(4)プロジェクト環境
・プロジェクトに関連するビジネス標準
・プロジェクトに関連する組織的な要請

という手順を推奨している。


プロジェクトの立ち上げはプロジェクトの成果にもっとも大きな影響を与えるフェーズであり、組織の創意や実力、マネジメントスタイルが顕在化するところであり、100の組織があれば、100通りのプロジェクトの立ち上げ方があるといってもよい。そのため、プロジェクト憲章の内容も、プロジェクト(マネジメント)計画ほど、標準化はできないし、また、すべきではない。

たとえばPMstyleでは、経験と推奨するマネジメントのスタイルに基づき、以下の項目を含めることを推奨している。ただし、プロジェクト憲章の見立てによっては、必ずしもフィットしないので注意しておいてほしい(たとえば、SOWをプロジェクト憲章に見立てると、書けない項目がある)。

・プロジェクトの目的
・定量的な成功基準
・プロジェクトの優先順位
・抽象的なレベルでのスコープ定義と、スコープ除外範囲
・ユーザや顧客の期待
・ステークホルダ特定の結果
・プロジェクトのビジネスケース
・コストの概算見積もり
・納期、および、特に重要なマイルストーン
・プロジェクトマネジャーと初期スタッフ
・他のプロジェクトとの依存関係
・プロジェクトライフサイクルと、プロジェクト管理への要求
・主要な制約と前提
・認識されているイシューと組織レベルのリスク


◆プロジェクト憲章の使い方

完成したプロジェクト憲章のもっとも重要な用途は、ステークホルダの要求マネジメントである。ITのようにプロジェクトが外部の顧客のために行っているものであれば、プロジェクト憲章は契約交渉に使うと同時に、組織内部の契約条件の承認に使う。

また、プロジェクトの実施においては、要求収集、プロジェクト計画の作成、プロジェクトレビューに使う。

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 ・本質を見極める
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5.ステークホルダーと良い関係を作る
 ・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
 ・(演習6)カレンシーを再考する
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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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