本文へスキップ

イノベーション実践、コンセプチュアルスキル、プログラムマネジメント、プロジェクトマネジメント、PMOについての最先端の情報、研修、セミナー、コンサルティングをお届けします。

PMO研修 開催決定セミナー

お客様の声  セミナーカレンダー

(本社)0774-28-2087 (携帯)080-2441-0805

第89回 ハイプ・サイクルによりイノベーションのタイミングを考える(2016.06.08)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

◆ハイプ・サイクルとは

ハイプ・サイクル(hype cycle)は、2008年にガートナー社のアナリストであるジャッキー・フェンとマーク・ラスキノが著書「Mastering the Hype Cycle: How to Adopt the Right Innovation at the Right Time」で提唱した特定の技術の成熟度、採用度、社会への適用度を示すサイクルである。目的は、誇大な宣伝(ハイプ)に踊らされることのない新技術採用を行うことだ。

残念ながらこの書籍は日本語に翻訳されていないので、日本ではあまり知られていないが、社会への適用の方法やタイミングで失敗しているイノベーションは多く、その意味で重要な概念である。


◆ハイプ・サイクルの5つのステップ

ハイプ・サイクルは黎明期、「過度な期待」のピーク期、幻滅期、啓蒙活動期、生産性の安定期の5つのステップからなっている。

まず、最初は黎明期で、「技術のトリガー」や「ブレークスルー」から始まる。新製品発表やイベントが行われ、技術に対する関心が高まる。

このサイクルが面白いのは、次に流行期として「過度な期待」のピーク期を置いていることだ。流行期は過剰期待の時期で、世間の注目が大きくなり、過度の期待や非現実的な期待が生じることがある。そのため、成功事例が出ることもあるが、多くは失敗に終わる。

三番目に幻滅期を迎える。技術は過度な期待に応えられず急速に関心が失われ、「幻滅のくぼ地」に入る。メディアはその技術を取り上げなくなる。

そして、幻滅期を経て、啓蒙活動期に変わる。メディアでその技術が取り上げられなくなった一方、いくつかの事業は継続し、その利点と適用方法を理解するようになる。新しいテクノロジが企業にもたらすメリットについての実例が増え、具体化していくとともに理解が広がっていく。ベンダーは、第二世代、第三世代の製品を提供するようになる。

やがて、成功事例も増え、生産性の安定期を迎える。安定期では、広く宣伝され受け入れられるようになり、主流の採用が始まり、ベンダーの実行能力を評価する基準がより明確に定義される。市場に対する技術の広範な適用性と関連性により、明確な見返りが得られるようになる。


◆ハイプ・サイクルの例

以上がハイプ・サイクルだが、簡単にいえば、技術に対する注目が、最初、急速に立ち上がるが、その後、減少し、再び復活し、どこかのレベルで安定するというサイクルで、社会への適用度を示す指標になるというものだ。

たとえば、モバイル、ソーシャル、クラウドのビジネス活用を考えてみるとどうだろう。これらは、これから重要になるという理解が広がったものの、成功事例以上に、取り組みにおける困難さや想像との違いに直面することが多くなってきているため、多くのキーワードが「過度な期待」のピーク期を越え、幻滅期に入っているのではないかと思われる。

たとえば、この1〜2年、イノベーションの中で特に注目されている人工知能はどうだろうか。今、非常に重要だという理解が広まりつつあるが、成功事例はほどんどない。おそらく、黎明期から「過度な期待」のピーク期に移っているようなところだろう。あるいは、自動運転の自動車はどうだろう。これもおそらく、黎明期から流行期に移りつつあるところだろう。


◆イノベーションのタイミングを管理する

このように考えてみると、自社の戦略を考慮し、どういうテーマで、どのタイミングでその分野に着手するかを決めるのにハイプ・サイクルは非常に役立つことが分かると思う。

ただし、技術ライフサイクルのように技術の進展をベースにしているわけではなく、その点が問題だという指摘もあることは認識しておく必要がある。このような指摘は、技術と社会の適合の関係を背景にするものであり、まだまだ、不明確な点である。

なお、ガートナーはハイプ・サイクルで2,000を超えるテクノロジを112の分野にグループ化し、市場のハイプ (市場での経験や実証基盤のない過度な宣伝)、成熟度、ビジネス・メリット、今後の方向性に関する分析情報を、企業の戦略/プランニング担当者に提供している。興味があれば、確認してみてほしい。


【参考資料】
Jackie Fenn、Mark Raskino「Mastering the Hype Cycle: How to Choose the RightInnovation at the Right Time」、Harvard Business School Pr(2008)



◆関連するセミナーを開催します
この講座は、コンセプチュアルな思考について学ぶ講座です。
自身の業務やマネジメントを創造的、かつ、高品質にしたい方にお勧めのセミナーです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆コンセプチュアル思考〜見えないものに挑む思考法 ◆(7PDU's)
  日時:2017年 11月 07日(火))10:00-18:00(9:40受付開始)   
  場所:ちよだプラットフォームスクウェア(東京都千代田区)
  講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/conceptual_thinking.htm
  主催:プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 【カリキュラム】
  1.思考をコンセプチュアルにする思考法
  2.思考をコンセプチュアルにする思考ツール
  3.コンセプチュアルな思考を妨げるもの
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

入門編はこちらです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアルスキル入門〜本質を見極め、行動するスキル   ◆(7PDU's)
  日時:2018年 01月 18日(木)10:00-18:00(9:40受付開始)   
  場所:ちよだプラットフォームスクウェア(東京都千代田区)
  講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/conceptual_skill.htm
  主催:プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 【カリキュラム】
  1.概念的に考えて、具体的な行動をする
  2.本質を見極めるスキル
  3.洞察力を高める
  4.応用力を高める
  5.コンセプチュアルが行動を変える〜ケーススタディ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

メルマガ紹介

本連載は、プロジェクト&イノベーション購読にて、最新の記事を読むことができます。

コンサルティングメニュー紹介

PMOコンサルティング、PMOアウトソーシングサービス、人材マネジメントサービスなど、御社に最適のコンサルティングをご提案させていただきます。まずは、お問合せください。

コンセプチュアルスキル診断

サイト内検索

お薦めする書籍

メルマガ購読

公開セミナー(カテゴリー別)
日付順  カレンダ

お客様の声(掲載をご許可いただいた受講者の方のアンケート結果)

すべてのセミナーが企業研修に対応できます。お問合せください。

ブログ

PMstyleプロデューサー

プロジェクト・イニシアチブ

Facebook

Facebook

Twitter

PMコンピテンシーとは