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第54回 イノベーションの本質はスマートリスクをとること(2014.09.24)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆イノベーションのリスクは高いのか

イノベーションにリスクはつきものである。米国の調査では、コンシューマー向けの新商品は毎年3万点発売されているが、95%は失敗している(採算がとれていない)。5%しか成功しないにも関わらず、リスクをとっていることになる。

日本の食品業界には千三つという言葉がある。千の商品を出して三つしか売れないという意味だが、それでも新商品を出し続けている。率にすれば1%に満たない大変なリスクを取っていることになる。

そうしないと生きていけないからというのもあるが、これでも、実は結構、成功する確率は高いのではないかと思う。

ラスベガスのカジノとか日本のパチンコなど客を集めなくてはならないギャンブルの還元率は95%程度だといわれる。日本の国営ギャンブルは75%、宝くじは45%である。還元率と勝つ確率は違うのだから比較はしにくいが、宝くじを買うよりははるかに成功する可能性が高いのではないかと思うわけだ。

どうも日本企業はリスクを取らないといっているのは、石橋をたたいても渡らないといっているのとは違うようで、実際には渡っている可能性が大きい(ただし、何人かが渡るのをみた後で)。

ここで重要なことは(当たり前だが)、リスクはとる、とらないかの二元論ではないことだ。

さらにいえば、リスクの評価の方法の問題がある。既存の商品を生き延びさせることのリスクとの比較をしてしまう。このため、たとえば、新しいコンセプトの商品を開発しようとする代わりに、既存の商品をマイナーチェンジして、販促を強化しようという話になるわけだ。


◆イノベーションの意思決定が難しいわけ

現実問題としてイノベーションで難しいことは、リスクを取るか取らないかではなくて、どの程度のリスクを取れるかという判断である。

イノベーションでも、ちょっとした改善でも何かを新しくするということはリスクはあるのだ。リスクがまったくない新しさなどあり得ない。たとえば、他社がやっている製品をそのままコピーして生産して売る場合でもリスクはある。リスクとはそういうものだ。

リスクを取らないといっているのは、成果とリスクと天秤にかけたときに、成果を犠牲にしてもリスクを小さくすることを言っているわけだ。これはトレードオフの問題であって、成果を最優先することがいつも正しいとは限らない。

イノベーションを起こせるかどうかは、どこまでリスクを取れるかの見極めにかかっている。事業をつぶすような失敗の可能性があればそのイノベーションにチャレンジするのは難しいが、半期の決算には影響が出ても通年では吸収できる程度だとチャレンジできるかもしれない。


◆スマートリスクとは何か

スマートリスクという言葉がある。スマートはスマートフォンのスマートと同じ意味で、日本語でいえば「賢いリスク」という意味である。上のようなリスクマネジメントは、スマートリスクをうまく判断し、マネジメントしていくという活動である。

ここで、重要なことはマネジメントをすることである。イノベーションのテーマがあるときに、失敗を許容するにしろ、成功を許さないにしろ、リスクは最初に見極めればよいというものではない。

投資の意思決定の際にリスクを見極めなければならないのはもちろんだが、そのリスクをそのままプロジェクトに持ち込んでいるケースがある。それは間違いだは言わないが、不適切である。

投資の際のリスクはスタティックな評価である。スタティックだと言っている意味は、そのあとリスクの発生を防ぐマネジメントをしなくてもできるという意味だ。この段階で最大限のリスクを排除してしまうと、プロジェクトではリスクマネジメントをする必要がない。実際にそうなっているプロジェクトが多い。


◆レジリエントなリスクマネジメントへ

これではスマートリスクにはならない。スマートリスクは投資の必然性があるリスクであり、それは生起する可能性が高いかもしれない。しかし、賢くあるためには必要なのだ。

だからそのリスクはとる。その代わり、リスクのマネジメントを頑張って行う。これが本来のプロジェクトマネジメントであり、イノベーションプロジェクトが価値を生み出すために不可欠な活動である。

つまり、スマートリスクかどうかは、そのイノベーションプロジェクトにおいて、どのようにリスクマネジメントがなされるを含めて考えることなのだ。

言い換えると、プロジェクトのリーダーやメンバーのスキルを見て、とることが可能なリスクがスマートリスクで、スマートリスクを適切に管理されなくてはならない。いわば、スマートなリスクマネジメントが行えて、初めてリスクが取れるのだ。

話がややこしくなるので、ここではリスクだけで議論をしてきたが、もう一歩踏み込んだ議論をするなら、レジリエントなリスクマネジメントができて初めてリスクが取れるといってもよいだろう。

リスクマネジメントとレジリエンスの関連の議論は改めてしたい。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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