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第106回 センスメーキング(2016.11.30)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆センスメーキングとは

前回、イノベーションマネジメントのプロセスとして、PDCAとOODAを統合する方法が有効であることを述べた。その上でセンスメーキングと呼ばれるOODAのOOの部分がイノベーションにうまく適用するためのポイントになると考えられるようになっていることを説明した。

センスメーキングとは、文字通り、意味(sense)の形成(making)である。簡単にいえば、気づいて行動を起こせるようになるまで、変化の意味づけをすることだ。

センスメーキングは

・想定していないこと
・予測もしていなかったこと
・期待していなかったこと

を対象に行う。すなわち、その意味付けをしないと気づいても行動することができないものだが対象になる。


◆カール・ワイクのセンスメーキングのプロセス

センスメーキングの提唱者であるカール・ワイクによると以下の7つのプロセスでセンスメーキングを行う。

1.アイデンティティ構築のプロセス
2.回顧的プロセス
3.価値を発見・発明するプロセス
4.社会化のプロセス
5.進行中のプロセス
6.手掛り抽出のプロセス
7.もっともらしさ主導のプロセス


◆カール・ワイクのセンスメーキングの概要

センスメーキングの中心的課題は、相互作用のプロセスから生まれるアイデンティティの確立と維持であり、まず、これを行うプロセスとして、「アイデンティティ構築のプロセス」がある。

次に、アイデンティティに関する有意義な経験の分析を行う。そして、過去の経験を未来につないでいく。これが回顧的プロセスである。

回顧したのちに自分が直面する状況の中で、自らの市場を創出する。そのためには、境界線を引き、顧客ターゲットや商品カテゴリーを確立し、以前は存在しなかった新しい市場を創り出すためのラベルを貼る。これが、価値を発見・発明するプロセスである。

センスメーキングは他者に左右される。つまり、個々人の思考、感情や行為が他者との相互作用により影響しあう。これをセンスメーキングでは社会化のプロセスと呼んでいる。

プロジェクトの流れが中断されたとき、「何があったのか」という問に対する答えを探す。中断は、重大な変化が生じたことのシグナルであり、その意味づけとともに代替行動を促すプロセスを進行中のプロセスという。

手掛り抽出のプロセスは、「探索」、「スキャンニング」、「気づき」の3つからなる。「気づき」は、フィルタリング、類別化、比較といった活動と関連しており、気づかれた手掛りが何を意味するのかを確定することがセンスメーキングだ。

センスメーキングは正確性よりもスピードを重視している。敢えていえばセンスメーキングに求められるのは「優れた物語」であり、それは有効な「因果マップ」である。
このようなプロセスを「もっともらしさ主導のプロセス」と呼ぶ。

カール・ワイクのセンスメーキングのプロセスは以上のようなもので、このようなプロセスを通じて、気づいて行動を起こせるようになるまで、変化の意味づけをする。


◆参考資料
カール・ワイク(遠田雄志・西本直人訳)「センスメーキング イン オーガニゼーションズ」、文眞堂(2002)

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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