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第104回 ステークホルダーとの信頼関係の構築(2016.11.11)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆ステークホルダーに対する幻想

イノベーションにおいて一つの大きな課題はステークホルダーにどのように接するかだ。特にイノベーションの初期のアイデアの実験段階において、多くの人が勘違いしていると思われるのが、通常の仕事と同じようなステークホルダーとの関係が必要だと考えていることだ。

通常の仕事では取り組んでいることをステークホルダーに理解してもらい、協力を得ることを目標としたステークホルダーマネジメントを行うが、イノベーションにおいても同様に考えている人が多い。

つまり、アイデアを実験的に行う自分の取り組みをステークホルダーに理解してもらい、協力してほしいと考えている。

しかし、これは幻想に近い。そもそも、この段階ではステークホルダーが誰かが分からないケースが多い。仮にステークホルダーが特定できたとしても、自分が取り組んでいることをステークホルダーに理解してもらうのは困難だし、そのために時間を使うのは無駄だと思われる。もちろん、方向性は理解し、合意して貰う必要があるかもしれないが、それ以上のことは自分にとっても手探りであり、ステークホルダーに説明することも難しいだろう。


◆ステークホルダーのアドバイスはイノベーションを妨げる

にもかかわらず、ステークホルダーとの良好な関係を持ち、アドバイスを受けたいと考える人は少なくない。認識しておく必要があるのは、それはイノベーションにとってむしろ、妨げになることがあることだ。

経験のある人なら分かると思うが、新しいことをやるときには、途中で立ち止まったり、すでに失敗に終わったことを後悔しても何も起こらない。立ち止まることなく、ひたすら前に進むべきだ。


◆ステークホルダーから信頼してもらう

ただ、ひたすら前に進むには、イノベーターが実験的な取り組みを終えるまで責任を持ってやりきることを信頼してもらうことが必要だ。これには2つの側面がある。一つはイノベーター個人に対する信頼があることである。

難しいのは、一般的に考えれば、ステークホルダーからそのような信頼を得るには良好なコミュニケーションが前提になる。これではコミュニケーションをせず、ひたすら前に進んでいくことと矛盾する。


◆信頼する文化

そこで求められるのが、もう一つの側面で、そのような組織文化があることだ。たとえば、部門間の横断的な協力体制を好んで行う文化があれば、コミュニケーションをとっていなくても比較的自由に協力が得られるだろう。

ただし、そのような組織文化があればいいが、ない場合には自ら作っていかなくてはならないことになる。

そのように考えると、結局のところ、重要なことは、自分自身で取り組みの進め方を判断し、イニシアチブをとることだ。これなら確実にできるし、また、ひたすら前に進んでいく中でステークホルダーとの関係をある程度コントロールできるだろう。

◆関連するセミナーを開催します
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆イノベーションプロジェクトのマネジメント             ◆7PDU's
  日時:2017年 07月 25日(火)  10:00-18:00(9:40受付開始)
  場所:ちよだプラットフォームスクウェア(東京都千代田区)
  講師:好川哲人(エムアンドティ・コンサルティング)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/pm_innov.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
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【カリキュラム】
  1.イノベーションを理解する
  2.イノベーションのニーズを見極める
  3.イノベーション機会を作る
  4.イノベーションを実行する
  5.イノベーションの成果を展開する
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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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