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第30回 ダイナミック(動的)・スケジュール・マネジメント その1(2009.11.30)

アイ・ツー・マネジメント 代表取締役 岡野 智加

今月から数回にわたって、ダイナミック(動的)・スケジュール・マネジメントについてお話したいと思います。
一昔前の静的なスケジュールとダイナミック(動的)なスケジュールの違い及びダイナミック(動的)なスケジュールのメリットについてお話します。

静的なスケジュールは一昔前のスケジュールと申しましたが、Excelで、静的なスケジュール・マネジメントをしている企業は現代でも多いです。

弊社はMicrosoft Office Projectの教育を12年間行っておりますが、12年前には当然のように静的なスケジュールが当たり前でした。しかし、12年経った今では、PMBOKやプロジェクトマネジメント・ソフトウェアの普及によって、ダイナミック(動的)なスケジュールでスケジュールをマネジメントする企業が増えました。
しかしながら、増えたと言っても、大多数の企業がそうであるということではなく、Excelで静的なスケジュール・マネジメントをしている企業は大変多いです。
なんせ、Microsoft Office Projectの一番の競合は、Microsoft Office ExcelであるとMicrosoft社が言っているぐらいですから。

そこで、もっと皆さんにダイナミック(動的)・スケジュール・マネジメントのメリットを理解して頂き、スケジュール・マネジメントを効率化して頂きたく、本コラムを書くことにしました。

尚、内容は、10月に行われたPMI日本支部で発表させて頂いた内容を基にしています。

また、ダイナミック(動的)・スケジュール・マネジメントを行うためにはプロジェクトマネジメント・ソフトウェアが必須ですが、本コラムでは、弊社が教育をしております、Microsoft Office Projectを使用して解説します。もちろん、ダイナミック(動的)・スケジュール・マネジメントの概念を理解頂ければ、プロジェクトマネジメント・ソフトウェアは何でもOKです。

もし、コラムを読んで、Microsoft Office Projectでダイナミック(動的)・スケジュール・マネジメントを行いたいと思った方は、弊社ではセミナーも開催しておりますので、是非ご参加下さい。

■静的なスケジュールとは?
静的なスケジュールとは、このタスクはいつからいつまでという形で、線を引いたスケジュールのことで、各タスクの開始日と終了日が指定され、固定されているスケジュールのことを言います。

ソフトウェアなどがない時代は手書きになりますので、このように線を引いてスケジュールを作成していました。
しかし、現代になっても、以下のようにExcelで静的なスケジュールでマネジメントしている方は多いと思います。


■静的なスケジュールの問題点
では、このような静的なスケジュールの場合、どのような問題点があるのでしょうか?

●作業が遅れた場合に、今後のスケジュールや問題点が見えない ⇒過剰管理になり易い
ある作業が遅れてしまったとします。
静的なスケジュールでは、その作業が遅れたことによって、今後のスケジュールはどのようなスケジュールになってしまうのか、そのことによってどのような問題があるのか、重要な期日は守れるのか、といったことが全くわかりません。
ですから、そのようなことは全て頭の中で考えていかなければいけません。

従って、今後のスケジュールや問題点が可視化できないので、とくにかく全てのタスクが遅れないようにと、過剰に管理してしまっている場合も少なくありません。

●シミュレーションが難しい
例えば、このタスクに人を一人投入すると、どのようなスケジュールになるのか?といったようなシミュレーションが、静的なスケジュールでは簡単に行うことができません。

結局、こういったシミュレーションも頭の中で考えるしかありません。

●スケジュールの変更に手間がかかる
静的なスケジュールは、スケジュールを変更するのが大変です。
例えば、あるタスクの期間が延びると、その後のスケジュールはそれに合わせて再スケジュールしなければいけませんが、それを全て手作業で行わなければなりません。つまり、それ以降のスケジュールを消して、もう一度線を引き直さなければなりません。

このような手間のかかる変更は面倒なので、なるべく変更はしない、あるいは、スケジュールは最初に作成したまま、更新をしないということもあります。
これでは、今回の計画は現実的だったのか、どのような教訓があったのかが全く見えないので、継続的な改善ができず、プロジェクト・マネジメント・レベルは全く向上しません。
そのような状態では、プロジェクトの成功は難しいでしょう。

静的なスケジュールは以上のような問題点がありますが、それを全て解決してくれるのがダイナミック(動的)・スケジュール・マネジメントです。

次回は、ダイナミック(動的)・スケジュール・マネジメントのメリットを、静的なスケジュール・マネジメントと比較してお話したいと思います。

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著者紹介

岡野 智加    アイ・ツー・マネジメント 代表取締役

大手ISベンダーなどにてOracleをはじめとするソフト・トレーニングの講師経験を経て、現在、Microsoft Office Projectセミナーに特化した教育事業経営を行っている。
1998年に日本初の、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKTM(Project Management Body of Knowledge)に準拠したMicrosoft Office Projectセミナープログラムを独自開発。これまでの単なる操作方法を習得するセミナーではなく、プロジェクトマネジメントプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの実践的活用ノウハウが習得できるセミナーを開発。
開発当初からこの今までに無い実践的な内容のセミナーは、当時、プロジェクトマネジメントをいち早く導入しようとしていた日本の最大手企業から高い評価を得る。
マイクロソフト社からも評価され、、2002年には日本初の米国マイクロソフト社公認Microsoft Office Project Official Partnerに認定される。
2002年に出版した書籍は、これまでの単なる操作方法を解説する書籍ではなく、プロジェクトマネジメントのプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの活用方法が解説されているということで、大ベストセラーとなり、売れ続けており、その後の書籍及び日本中のセミナー企業へ多大なる影響を与える等、Microsoft Office Project講師として日本におけるリーディングパーソンである。

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