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第16回 PMBOK(R)テンプレートの作成 その2(2008.05.16)

アイ・ツー・マネジメント 代表取締役 岡野 智加

今回のPMBOK(R)テンプレートの紹介は、3大文書である「プロジェクト憲章」をご紹介したいと思います。

尚、ご紹介するテンプレートは、私が主査を行っております、PMI日本支部 PMBOK委員会 実用化ワーキング・グループで作成したもので、現在、PMI日本支部会員であれば、PMI日本支部のホームページより無料でダウンロードすることができます。

事前にダウンロードしてから解説を読んで頂くと、より分かりやすいと思います。

更に、5月22日に行われる「Microsoft Office Projectの標準化」セミナーでもPMBOK(R)テンプレートを配布します。

■3大文書の作成方針
PMBOK(R)には3つの主要な文書として「プロジェクト憲章」、「スコープ記述書」、「プロジェクトマネジメント計画書」があります。

PMBOK(R)には3つの文書の項目が書かれてはいますが、これらを見ても、いざ文書を作成しようとすると、色々悩まれると思います。

実用化ワーキング・グループでは、PMBOK(R)にある項目について、問題点が2点あると考えました。

一つ目は項目が重複していること、二つ目は論理的な順序になっていないことです。

項目が重複していると、どの文書を参照したらよいのか迷ってしまいますし、変更が発生した場合も、どの文書を変更したらよいのか?という問題になります。

そこで、これらを解決するために、それぞれの文書をどのような方針で作成するのかを決めました。

その作成方針とは、
          
を記述することにしました。
この方針で項目を絞り込み、論理的に順序を整えて文書を作成することにしました。

■プロジェクト憲章の構成
プロジェクト憲章は、プロジェクトを正式に認可するための文書です。

この文書は、プロジェクトを承認した上位管理者が発行します。

現場では、PMOが、テンプレートを作成し、場合によっては草案も作成し、上位管理者はそれを承認することがメインの場合が多いのではないでしょうか。

プロジェクト憲章の重要な目的は、プロジェクトを公式に認可するとともに、プロジェクト・マネジャーを任命することです。
この文書で正式にプロジェクト・マネジャーが任命されることによって、プロジェクト・マネジャーは、社内の資源(モノや金、リソースなど)を使用する権限を与えられます。

尚、このプロジェクト憲章の発行をもってプロジェクトが開始されるわけですが、プロジェクトが複数のフェーズに分割されている場合は、フェーズごとに立ち上げプロセスが実行されるので、フェーズの立ち上げ時にプロジェクト憲章を見直してフェーズの認可を行います。

           



プロジェクト憲章の章立ては以下の通りです。
プロジェクト憲章には、「Why?」を中心に記述するので、プロジェクトの背景、目的と妥当性、要求事項がメインとなります。
プロジェクト環境以降は、補足事項です。
特に最後のプロジェクトマネジメント基本方針は、オプション的な内容ですので、必要であれば記述することになります。
尚、それらの内容が、PMBOK(R)に記述されている項目にどのように対応しているかを以下に示しています。

  
プロジェクト憲章を作成するにあたってPMBOK(R)では、以下のインプットが記述されていますが、今回のテンプレートの項目は、どのインプットを参照して作成したかの対比が以下の通りになります。


■プロジェクト概要
今回のテンプレートは、単なる項目の羅列されたテンプレートではなく、あるプロジェクトを想定して、内容も記述することで、より実用的なものにしました。
現在公開されているテンプレートのプロジェクトは、中規模のITプロジェクトを想定して作成しました。
ネット販売システム構築プロジェクトで、期間は1年、予算は2億4千万円です。
プロジェクト憲章のまず最初に、プロジェクトの概要を以下のようにまとめて記述しました。
ステークホルダーでは、プロジェクトの主要なステークホルダーを特定し、プロジェクト憲章の内容に承認したことを示すために氏名を明記しています。


■プロジェクトの背景、目的と妥当性
プロジェクト憲章のメインとなる、Why?のうち、プロジェクトが発足した背景、プロジェクトの目的、プロジェクトを承認した理由となる、プロジェクトの妥当性について記述します。

プロジェクトの背景には、プロジェクトの誘因となる市場の要求、ビジネス・ニーズ、顧客要求、技術の進歩、法的要求、社会的ニーズを記述します。

プロジェクトの目的と妥当性には、プロジェクトの投資効果を分析した結果を記述し、プロジェクトを選定した理由を明確に示します。




■プロジェクト要求事項
プロジェクト要求事項には、まずは、顧客の要求事項を記述します。
顧客の要求事項は、契約書や作業範囲記述書(SOW)のビジネスニーズに記述されていることを記述します。


次に、成果物に対する要求事項を明記します。
これは、SOWに記述されている、成果物スコープの部分を記述します。
これは、スコープ記述書でさらに詳細化されます。


プロジェクト・スコープ概要には、上記の成果物を創出するために必要な作業の範囲を記述します。これは、スコープ・記述書で更に詳細化され、最終的にはWBSとして完成されます。


今回のプロジェクトで除外される事項をきちんと明記し、プロジェクト・スコープの境界を明確にします。


成果物を受け入れる判定基準を明確にします。


■プロジェクト環境
プロジェクトの環境として、まずは、前提条件、制約条件、プロジェクトの成功要因を記述します。
プロジェクトの成功要因とは、プロジェクトの成功に徹底的な影響を及ぼす事項を記述します。


更にプロジェクト環境として、関連プロジェクトや関連システムについても記述します。


■プロジェクト・スケジュール
プロジェクト・スケジュールには、主要マイルストーンの期限を明記します。
Microsoft Office Projectでマイルストーンスケジュールを作成できる場合は、それも添付します。


■プロジェクト資源
プロジェクト・マネジャーに使用権限を与えることを明記するために、以下のようなプロジェクト資源について記述します。



■プロジェクトマネジメント方針
プロジェクトマネジメントの基本方針について記述します。
社内で既定のプロジェクトマネジメント基本方針がある場合は、それに準拠しますが、本プロジェクトに特有の事項があれば本プロジェクト憲章に記述しておきます。









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 5.予算計画書の書き方
 6.リスク計画書の書き方
 7.ステークホルダー計画書の書き方
 8.コミュニケーション計画書の書き方
 9.プロジェクト計画全体の整合と各計画書の調整
 10.プロジェクト計画書の使い方と段階的詳細化
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著者紹介

岡野 智加    アイ・ツー・マネジメント 代表取締役

大手ISベンダーなどにてOracleをはじめとするソフト・トレーニングの講師経験を経て、現在、Microsoft Office Projectセミナーに特化した教育事業経営を行っている。
1998年に日本初の、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKTM(Project Management Body of Knowledge)に準拠したMicrosoft Office Projectセミナープログラムを独自開発。これまでの単なる操作方法を習得するセミナーではなく、プロジェクトマネジメントプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの実践的活用ノウハウが習得できるセミナーを開発。
開発当初からこの今までに無い実践的な内容のセミナーは、当時、プロジェクトマネジメントをいち早く導入しようとしていた日本の最大手企業から高い評価を得る。
マイクロソフト社からも評価され、、2002年には日本初の米国マイクロソフト社公認Microsoft Office Project Official Partnerに認定される。
2002年に出版した書籍は、これまでの単なる操作方法を解説する書籍ではなく、プロジェクトマネジメントのプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの活用方法が解説されているということで、大ベストセラーとなり、売れ続けており、その後の書籍及び日本中のセミナー企業へ多大なる影響を与える等、Microsoft Office Project講師として日本におけるリーディングパーソンである。

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