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第14回 クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント その4(2008.03.21)

アイ・ツー・マネジメント 代表取締役 岡野 智加

これまで、Microsoft Office Project(以下MS Projectという)及びMS ProjectのアドオンソフトであるCCPM+を使用してクリティカルチェーン計画を作成する手順についてお話ししました。

クリティカルチェーン計画の作成手順は以下の通りです。
    

この手順のうち、1〜6はMicrosoft Office Project(以下MS Projectという)を使用して作成することができます。
7〜10については、MS ProjectのアドオンソフトであるCCPM+を使用することで実現することができます。前回は、7〜9についてお話しました。

CCPM+は、MSIのホームページより試用版をダウンロードすることができます。

尚、無料説明会も定期的に行われております。

今回は、CCPM+を使用して、上記手順10についてお話します。

■手順10:プロジェクトの実行
前回お話したとおり、手順7〜9を実行した結果、以下のようなクリティカルチェーン法によるプロジェクト・スケジュールが完成しました。


CCPM+を使用している場合、各タスク(アクティビティ)実績は、MS Projectの機能ではなく、CCPM+の機能を使用して実績を入力します。

実績として入力するデータは以下の通りです。

・ タスクの実績開始日
・ タスクの実績終了日(進行中のものは入力する必要なし)
・ 作業を行うために費やした消費日数(MS Projectでいう実績期間)
・ 残りの成果物を完成するために必要な残日数(MS Projectでいう残存期間)

実績を入力したいタスクを選択してCCPM+ツールバーの[タスク状況入力]をクリックして表示される以下のダイアログボックスで実績を入力します。
  

実績を入力すると、タスクバーに実績を示す黒い線が表示されます。
 

■作業の遅れはバッファで吸収
CCPM+を使用して実績を入力している場合とMS Projectでの実績入力の違いは、作業が遅れた場合にその違いが起こります。

MS Projectの場合は、作業が遅れると、その作業が遅れたことによって後ろのスケジュールにどのような影響があるのかが自動的に再スケジュールされます。
[ガントチャート(進捗管理)]ビューを見れば、最初の計画である基準計画(スケジュール・ベースライン)との比較ができます。
[ガントチャート(進捗管理)]ビューの上側に表示されているタスクバーが現在のスケジュールで、下側に表示されている黒いタスクバーが基準計画(スケジュール・ベースライン)になります。

例えば、タスクID13 「アクティビティ8」が予定より1日遅れてしまったとします。
その実績を入力すると、その遅れによって影響を受けるのは、次の作業のタスクID14 「アクティビティ9」で、開始が1日遅れたスケジュールに自動的に更新されました。
今回遅れたタスクID13はクリティカル・タスクではなかったので、このタスクが遅れてもプロジェクトの終了日には影響がありませんでした。


一方、CCPM+の場合、遅れた実績を入力してもスケジュールは動きません。
その代わり、遅れた分は、バッファが消費されます。
例えば、上記と同じ例の実績を入力します。
タスクID13に1日遅れた実績を入力しても、次のタスクID14のスケジュールは動きません。
タスクID13はクリティカルチェーン上のタスクなので、遅れた分の1日はプロジェクトバッファが1日消費され、タスクID18 「プロジェクトバッファ」に黒い線が表示されました。


CCPM+で遅れた実績を入力してもスケジュールが動かないことは、[ガントチャート(進捗管理)]ビューで基準計画(下側の黒いタスクバー)と上側の現在のスケジュールが全く同じスケジュールであることより確認できます。
また、遅れた1日がバッファを消費していることは、タスクID18 「プロジェクトバッファ」に1日分の実績が上側の現在のスケジュールに表示されていることで確認することができます。濃い色の部分が実績(消費した分)で薄い色の部分が残存を示します。
尚、最新バージョン(2.035)では、遅れた場合に変更されるタスクの開始日は[推定開始日]フィールドで確認できるようになりました。
 



MS Projectは、PMBOK(R)のタイム・マネジメントのスケジュール作成のプロセスにあるとおり、スケジュール・ネットワーク図と期間見積もりを時間軸に落して、最終的に各アクティビティの開始日及び終了日を決定します。
従って、あるアクティビティの終了日が延びれば、その影響を受けるアクティビティの新しい開始日及び終了日が自動的に算出されるのです。

しかしながらクリティカルチェーン法では、各作業の開始日及び終了日は重要ではありません。
なぜなら、クリティカルチェーン法では、作業は、リレー走者のように、流れ作業のように作業をこなしていくことが重要であって、いつするのかということは、結果的にその日にすることになったという程度の意味しか持ちません。
クリティカルチェーン法では、これまでの単なる作業の依存関係だけでスケジュール・ネットワークを作成していたクリティカル・パス法では対応できなかった、プロジェクトの作業は人に依存しているという問題点を解決するために、人に注目してスケジュール・ネットワークを作成しているので、流れ作業のように作業がこなせるのです。

また、本コラムのその1では、プロジェクトの不確実性に対応するために一つ一つの作業に余裕を含めても、それを有効に活用できないので、プロジェクトは結局遅れてしまうというお話しをしました。
クリティカルチェーン法のリレー走者のように作業をするという作業の実行方法を行うことによって、その問題点を解消できるのです。

・ 学生症候群への対策
作業を受け取ったらすぐに開始する。
・ マルチタスクへの対策
1つの作業に集中する。
・ パーキンソンの法則への対策
作業が完了したらすぐに次の担当者へ渡す。

通常、MS Projectでは、必ず守らなければならない日付の制約条件があるタスクには制約をつけ、それが守られているかどうかを自動的にMS Projectがチェックしており、もし、その制約を守ることができなくなった場合は、プランニングウィザードを表示して警告してくれます。
その時、制約を守れるようなスケジュールにするには、どのようにスケジュールを調整すればよいかを試行錯誤します。

しかしながら、クリティカルチェーン法は、作業の遅れはプロジェクトバッファで消費し、その消費率で現在のプロジェクトの状態を見極めていきます。
従って、制約が守れないスケジュールになる度にスケジュールを調整していた従来のやり方に比べると、クリティカルチェーン法の、作業はリレー走者のようにする、納期に間に合うかどうかの状況は、プロジェクトバッファの消費率で見極めていくというやり方は、非常に効率的だと思います。

また、リソースの負荷の調整を行う場合、従来のやり方は、かなり試行錯誤してスケジュールを調整していましたが、クリティカルチェーン法の場合は、期間に余裕を持っていない(従来の半分の期間見積もりな)ので、リソースの作業の重なりを単純になくすことで平準化するので、リソースの負荷の調整も非常に効率的に行えます。
■報告書
CCPM+には、3つの報告書があります。
●プロジェクト状況報告書
CCPM+ツールバーの[プロジェクト状況]ボタンをクリックすると、プロジェクト全体の状況報告書が表示されます。


●バッファ消費報告書
CCPM+ツールバーの[バッファ消費]ボタンをクリックすると、現在、バッファがどのように消費されているのかの報告書が表示されます。
バッファサイズはバッファの期間になります。


●トレンドグラフ
CCPM+ツールバーの[トレンドグラフ]ボタンをクリックすると、プロジェクトバッファ消費の傾向を確認することができます。
Y軸は、現在のプロジェクトバッファの消費率を示します。
X軸は、プロジェクト期間に対する実際の時間経過をパーセンテージで示します。
バッファ消費の度合いを示すよう2本の線で、座標上の領域が3つに区分されます。
黄緑色の部分は「正常」領域、黄色の部分は「対策準備」領域、赤色の部分は「対策実施」領域になります。
このバッファのステイタスによって、取るべきアクションが明確になります。


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 2.プロジェクト計画をデザインする
 3.プロジェクト計画の骨組みを決める
 4.プロジェクト活動計画書の書き方
 5.予算計画書の書き方
 6.リスク計画書の書き方
 7.ステークホルダー計画書の書き方
 8.コミュニケーション計画書の書き方
 9.プロジェクト計画全体の整合と各計画書の調整
 10.プロジェクト計画書の使い方と段階的詳細化
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著者紹介

岡野 智加    アイ・ツー・マネジメント 代表取締役

大手ISベンダーなどにてOracleをはじめとするソフト・トレーニングの講師経験を経て、現在、Microsoft Office Projectセミナーに特化した教育事業経営を行っている。
1998年に日本初の、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKTM(Project Management Body of Knowledge)に準拠したMicrosoft Office Projectセミナープログラムを独自開発。これまでの単なる操作方法を習得するセミナーではなく、プロジェクトマネジメントプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの実践的活用ノウハウが習得できるセミナーを開発。
開発当初からこの今までに無い実践的な内容のセミナーは、当時、プロジェクトマネジメントをいち早く導入しようとしていた日本の最大手企業から高い評価を得る。
マイクロソフト社からも評価され、、2002年には日本初の米国マイクロソフト社公認Microsoft Office Project Official Partnerに認定される。
2002年に出版した書籍は、これまでの単なる操作方法を解説する書籍ではなく、プロジェクトマネジメントのプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの活用方法が解説されているということで、大ベストセラーとなり、売れ続けており、その後の書籍及び日本中のセミナー企業へ多大なる影響を与える等、Microsoft Office Project講師として日本におけるリーディングパーソンである。

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