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第12回 リスクマネジメント(2) (2009.09.11)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆リスクマネジメント(2)

前回は、リスクマネジメントのステップであるリスクの特定までを述べました。

 第11回 リスクマネジメント

リスクマネジメントは、次の5ステップでした。

1.リスクマネジメント計画:リスクマネジメントの方針を決める
2.リスクの特定:計画の実行に対して、影響を与える事象の洗い出しをする
3.リスクの分析:リスクの大きさを分析し、対策を立てるリスクを抽出する
4.リスクの対策:大きなリスクに対して、対策を立てる
5.リスクトラッキング:リスクの対策が有効かどうか、リスクの状態が変化していないかをチェックする

今回は、3.リスクの分析です。

まず、このステップはなぜ実施するのか、ですが、

2.リスクの特定で洗い出されたリスクに対して、全て対策を立てることが現実的に難しいからです。
つまり、リスクマネジメントは、すればするほど時間と費用がかかり、もともと予想していたリスクが発生して損害を被る被害額よりもリスクマネジメントのための費用をかけすぎてしまった、という笑えないような話があるからです。

もともと、リスクマネジメントには、

「ALARP( As Low As Reasonably Practical)」

という考え方があります。
できる範囲でリスクをマネジメントしましょう、という意味ですね。

1.計画上でのリスクの排除:リスクの原因を突き止め、それをなくす
2.冗長性を持たせた計画:リスクが発生しにくいように、発生しても影響が少なくなるようにする
3.コンティンジェンシープラン:リスクが発生した場合の対応策を決めておく
4.マニュアル化やトレーニング:リスクが発生した場合の連絡先や緊急対応策を決めておく

上記のどのあたりのリスクマネジメントをするかは、時間と費用と相談して、ということです。

そこで、リスクの分析をして、大きいリスクに対しては対策をたて、小さいリスクに対しては、リスクがあることだけを認識しておきましょうという線引きをしていきます。

その指標として、

発生確率:リスクがどのくらいの確率で発生するのか
影響度:リスクが発生した場合プロジェクトにどの程度影響を与えるのか

の2つの指標があります。

例えば、発生確率を1〜3の3ランク、影響度を1〜3の3ランクに分ければ、
3×3=9ランクに分類することができ、

1〜3:この後の4.リスクの対策のステップでリスク対策をきちんと決めて実施する
4〜6:リスクがあることを認識し、プロジェクト実施時に考慮する
7〜9:リスクのリストに掲載しておくだけで、他には何もしない

ランクによって、例えば、上記のような対応をします。

この後の4.リスクの対策からは、次回に取り上げます。

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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