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第2回 コンセプチュアルなプロジェクトマネジャーは常にWHYを考える(2015.10.06)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆プロジェクトはWHATから始まる

第1回が7月だったので、3ヶ月ぶりのコンセプチュアルスキルノートの第2回ということになる。今回は、WHYについてである。

プロジェクトマネジメントの基本で習うように、プロジェクトはWHATから始まる。これは事業や業務のオペレーションとして、何をすべきか明確であり、それをスコープとしてプロジェクトとして行うという位置づけによる。そして、最初に決めたWHATでロジェクトを定義し、4W2Hを明確にし、プロジェクトを計画する。たとえば、製品開発であればビジネスケースが決まったところでプロジェクトが定義され、立ち上がる。


◆WHYから始めるアジャイル

しかし、最近のプロジェクトはこの順序が通用しないものが増えてきた。たとえば、アジャイルのプロジェクトである。アジャイルのプロジェクトではプロジェクトを進めながらWHATを決めていく。

その場合、明確にしなくてはならないのは、WHATではなく、WHYである。なぜ、そのプロジェクトをやるのか、なぜその成果物(システム)が必要なのかを明確にしておかないと、プロジェクトが進んでいるうちにぶれてしまう。

ただし、アジャイル開発で行うようなケースは、そうはいいながらある程度、ビジネスケースが決まっているケースが多い。プロジェクトマネジメントでいうところのローリングウェブとそんなに大差ないと言ってもいいだろう。しかし、もっと極端なケースもある。たとえば、イノベーションプロジェクトである。


◆WHATを考える必要がないプロジェクト

イノベーションのプロジェクトでは、WHATは結果であり、問題になるのはWHYである。なぜ、その活動(プロジェクト)をやるのかを明確にするが、WHATにはこだわらない。何が生まれるか、どんなカテゴリーの製品やサービスが生まれるかわからなくても問題ない。むしろ、そこには大きな可能性があった方がよい。

日本企業でイノベーションがなかなかうまく行かないのは、最初にWHATを決め、ビジネスケースを決めようとするからだ。そうではなく、まず、WHYから決める。そして、WHYを満たすWHATを探していく。

このような考えで成功したプロジェクトは米国ではたくさんある。たとえば、iPhoneがそうだ。何を作るかは定かでない。携帯電話かというとそうとも言い切れない。
「生活を変える」というWHYだけがはっきりしていた。そして、WHYを達成できたところがゴールだったわけだ。あるいは、facebookやGoogle Mapなどもそうだった。


◆コンセプチュアルなプロジェクトマネジャーは常にWHYを考える

WHYの2つの位置づけを述べてきたが、いずれにしても、コンセプチュアルなプロジェクトマネジャーは常にWHYを考え、WHYに基づいてプロジェクトを操ることを求められる。もちろん、スコープに関してだけではない。

たとえば、スケジュールを立てるときに、なぜ、そのスケジュールなのかを明確に説明でき、スケジュールを自由に操れる。コストを見積もるときに、なぜそのコストなのかを明確にでき、コストを自由に操れる。要員を調達するときに、なぜ、その要員が必要なのかを明確にできなくてはならない。すべて過去の実績に基づくというのが通用しない世界でである。

このように常に、WHYを追求していくことと、前回述べた本質を見極めてマネジメントしていくことは深い関係がある。スコープ、スケジュール、コスト、要員などに対して、すべてのWHYが交差するところにプロジェクトの本質が見えてくる。本質を見極め、本質に外れたことはやらない。

プロジェクトの本質を常に考えながら、プロジェクトをマネジメントできるプロジェクトマネジャーになろう。

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PMstyleでは、コンセプチュアルなプロジェクトマネジャーになるための基本スキルを学ぶセミナーを開催しています。コンセプチュアルなプロジェクトマネジャーを目指したい方の参加をお待ちしています。
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  講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
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  3.洞察力を高める
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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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