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第5回 戦略を実行するためのコミュニケーションの支援(2010.05.17)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆目的と手段

今回は、戦略サイクルの中で、目的と目標の設定において、戦略的PMOが果たすべき役割について考えてみたい。

PMBOK(R)の成果に関する概念は、結構、ややこしいという人が多い。Product、Deliverables、Resultの3つの概念があるが、この3つの違いを正確に説明できる人がどのくらいいるだろう。

この議論をややこしいと感じるのは、手段と目的を明確に区別する思考習慣がなかったからだろう。と書くと反論されそうなので、戦略的にものごとを考える習慣に乏しかったからだと言い直しておく。

もう少し、正確にいえば、目的と手段というのは入れ子構造になっている。つまり、Aという目的を達成するための手段がA’だとすると、A’を実施することは次のレベルの目的になる。この構造に対する意識がなく、現場での手段を如何にうまくやるかに組織全体が集中していた。ところが、戦略経営をするようになって、突然、この構造が出てきた。戦略により、経営目的を設定したものを、入れ子構造によって実行まで落とし込んで行かなくては、戦略は実行できないからだ。


◆戦略の実行にはコミュニケーションが欠かせない

この入れ子構造を作って行くには、コミュニケーションが欠かせない。この構造を前提として、組織内のコミュニケーション、特に、現場と経営のコミュニケーションが悪いと何が起こるかということを考えてみてほしい。これが実際に起こっていることだ。

現場は現場で目的の設定をする。しかし、上位の目的は明確に知らされていないので、結局、見える範囲で一生懸命考える。すると、経営的には手段であることを目的だと考えて進めて行く。問題はこれによって何が起こるかである。

あるSI企業は品質強化による高収益の追求を戦略としている。現場にはあまり明確にこの戦略は落ちてきていない。これによって、品質強化のプログラムが走る一方で、プロジェクト立ち上げの際には厳しい収益率が設定されるようになってきた。これらの施策で、現場に品質向上と収益率向上が伝わってきている。

これをばらばらに考えてしまうと、品質管理のために試験に手間をかけ、一方でコストを削減しなくてはならないというジレンマに陥る。そして、このジレンマを解消する方法は、安くて品質のよい外注先の確保しかないという話になる。

戦略の意図が正しく伝わっていないとこのようなことが起こる。戦略意図が伝わると、品質の強化をすることによって、無駄な作業をなくし、結果として収益目標を達成する方法を考える。すると、上流作業の品質の強化、マネジメントの品質強化など、いくつかの施策がでてくる。


◆PMOに求められる支援

戦略の本来的な意味からすると、上位戦略を読み取り、実行戦略を描いていくのが、現場の役割である。つまり、洞察を中心にしたコミュニケーションが重要である。しかし、まだまだ、戦略の扱いになれていない上位管理者が多いことから、その役割はPMOが果たすのが現実的である。あるいは、上位管理者を支援する必要があるのが現実である。

支援すべきことは2点ある。一つは上位管理者が経営戦略や事業戦略の意図を正確に知ることができるようにファシリテーションすることである。たとえば、プロジェクトの実施審査の席を使って、コミュニケーションを起こすようにする。

もうひとつは、上位管理者による実行戦略策定の支援である。この場合にすべきことは、まず、実行戦略策定へのインプットとなる情報収集と分析である。かなり、ビジネス寄りの仕事になるので、ハードルが高い場合には上位管理者からの詳細な指示を仰ぐようにする必要がある。もうひとつは戦略策定のフレームワークの提供を行うことである。もっとも一般的な方法はプロジェクトデザインのフレームワークを提供することだ。たとえば、プロジェクト憲章のテンプレートの提供をするといったことだ。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「プロジェクトマネジャー養成マガジン」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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