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第3回 アジャイルマインド:アジャイルの価値観(11/11/22)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


アジャイルには独特の価値観がある。従来のプロジェクトマネジメントとの対立軸を上げてみよう。右が従来の価値観であり、左がそれに対応するアジャイルの価値感だ。

(1)コミュニケーション>プロセス
(2)プロダクト>ドキュメント
(3)変化への対応>計画
(4)市場や顧客との対話>要求分析・市場調査
(5)自律>統制

◆コミュニケーション>プロセス

従来のプロジェクトマネジメントは、特定の業務プロセスや開発プロセスがプロジェクトの遂行プロセスとして存在していることを前提にしている。多くの場合、プロセスは開発標準や業務標準として組織として決まっており、それを遵守することが大切だと考える。

これに対して、アジャイルではプロセスの存在を前提としない。したがって、プロジェクトプロセスの多くは、コミュニケーションによって組み立てられる。もっと正確にいえば、コミュニケーションを取りながら行った活動が結果としてプロジェクトプロセスになるというべきかもしれない。

◆プロダクト>ドキュメント

二つ目はプロダクト重視である。従来のプロジェクトマネジメントでは設計書や検査報告書などのドキュメントの作成を重視してきた。基本的に進捗管理の対象はドキュメントであった。

これに対して、アジャイルではプロダクトを重視する。モノやソフトウエアの挙動を見ながらプロジェクトを進めていく。ただし、これはドキュメントを否定するということではないことに注意する必要がある。あくまでもプロジェクトの話であって、プロジェクトの成果を活用する場面ではドキュメントが重要であることが多いからだ。


◆変化への対応>計画

従来のプロジェクトマネジメントは計画・命である。変化も想定し、変化への対応も計画しようとする。

これには、前提がある。従来のプロジェクトマネジメントの前提は、プロジェクトには曖昧さがあるが不確実性はないというものだ。これは段階的詳細化の前提でもあり、プロジェクトの経過とともに、曖昧さはなくなると考える。

これに対して、アジャイルの前提は不確実さがあることだ。

ここで、不確実さと曖昧さの違いを説明しておく。たとえば、商品開発のプロジェクトで競合の動きがよく分からないとする。このとき、対抗商品を開発していることは確実だが、その仕様やリリース時期、販売価格などはよく分からないというケースがある。これによって、自社の開発計画も決め切れない場合がある。これは曖昧さである。この場合、マイルストーンを決め、その中で競合の動きを見ながら調整していくという方法を取ることが多い。

これに対して、競合企業が対抗商品を開発しているかどうかも分からないケースがある。この場合、競合の動きを気にしても始まらない。まずは、自社の目的、展開を明確にし、それを粛々とやっていく。

その上で、競合に動きがあれば、リリース時期、仕様などの自分たちの計画も柔軟に変える。これがアジャイルの考え方である。

◆市場や顧客との対話>市場調査・要求分析

計画の問題にかかわってくるが、従来のプロジェクトマネジメントでは、要求を事前に知ることを重視する。そのために、丹念な市場調査を行ったり、丁寧に要求分析を行ったりする。これらの局面において、市場や顧客との対話を行うことがあるが、いったん、市場ニーズや顧客要求を確定してしまうと、そののちに、対話を行うことはない。むしろ、目を瞑り、耳をふさぎながら、初期のニーズや要求の実現に邁進する。

これに対して、アジャイルでは初期の対話より、その後の対話を重視する。市場ニーズや要求は、プロジェクトの中で、市場や顧客とのかかわりの中で生まれてくるという考え方をする。このように考えると、初期のニーズや要求はあまり重要ではなく、むしろ、そのあとの対話こそが重要になる。

◆自律>統制

以上のような価値観を実現していこうとすると、結局、この問題行き着く。自律か、統制かという問題だ。

従来のプロジェクトマネジメントは統制を基本としている。ここで、勘違いしてはならないのは、統制とは何かということだ。

自動車の生産方式の歴史の中で、ボルボがワークショップ方式というのを取り入れたことがある。従来はラインに工員が並び、自分の担当部品の取り付けをするというライン方式だった。この方法を変更し、流れてくる自動車を数人のメンバーから構成されるワークショップに取り込み、その中では決められた複数の部品を自由な担当、自由なペースで組み立てられるようにしたものだ。

ボルボ方式は品質の問題で廃れていったが、ここで考えてみたいのは、ボルボ方式は、自律か、統制かという問題である。

プロジェクトにおける統制とは、ボルボ方式よりもう少し、自由度が高いものである。ワークパッケージがワークショップに対応している。

では、自律とは何かという問題になる。自律とは、読んで字のごとく、ルールそのものを決めることである。この違いの多くの部分は(1)のプロセスかコミュニケーションかという問題に帰着する。

ワークショップ方式が統制であり得るのは、自動車の組み立てプロセスが決まっているからだ。プロジェクトのワークパッケージもまったく同じだ。プロセスを決めることによって、パークパッケージを任せても統制できる。ほとんど、意思決定の要素はないのだ。

ところが、プロセスを決めずにコミュニケーションでものを作り上げていくとすれば、そうはいかない。すべてが意思決定であり、自律していなければ、そのような仕事の仕方をすることは不可能である。

もちろん、それは提供者側の論理で行われるものではない。顧客側の要求で行われるものだということを認識しておかなくてはならない。

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 4.APMワークショップ
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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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